三十九羽 ページ39
自室に戻り、布団を敷いて倒れ込む。
驚くほど眠い。
「姫鶴、居るか？」
障子の向うには人影。
はい、と返事をして静かに障子を開けるとそこには長谷部さん。
「近侍の仕事についてまとめてきた」
「あら、ご丁寧にありがとうございます」
自作の資料を渡しに来てくれたようだった。
「いや、いいんだ。
それより、最近は大人しくしているようだが何があった」
神気が安定しなかったため、落とし穴を仕掛けたり短刀達と遊んだりしていなかったことを知っていたようだ。
「強いて言えば体調不良ですかね？」
「失踪したことと関係があるのか？」
「…何故そう思うんですか？」
「答えろ」
「…主とは関係ないですよ」
「……そうか。遅い時間にすまなかった」
「いえいえ、資料ありがとうございました。お休みなさいませ」
女は笑顔で嘘をつくのですよ、長谷部さん。
どうか、何も気づかないで。
重い瞼を無理やり持ち上げて資料を読む。
とても分かり易い。
しかし、疲れた体には子守唄のようだった。
――――――
―――
「姫鶴、ちゃんと布団で寝ないと風邪ひくぞ」
「ん〜？」
文机の上で寝てしまったようだ。
鶴丸の声と肩を軽く叩かれて起きた。
そして、少しお酒の匂いがすると思うと抱き上げられて布団に入れられた。
まるで幼子のような扱いにクスッと笑ってしまう。
「なあ、本当に体調はもういいんだな？」
「心配性ですね。もうどこも悪くないですよ」
「どこか悪いところがあったんだな」
しまった。眠くて頭が回らなかった。
「鶴丸さん、ひっかけるなんて酷い方ですね」
布団の中でギュッと抱きしめられた。
目の前の鶴丸さんの胸に押し当てられ、そこからは脈打つ命の音が聞こえた。
「俺は、どうしたら君を助けられる？」
「随分、助けられていますよ」
そっと体を離して鶴丸の顔を覗き込む。
「近侍になって何かあれば絶対に俺に言ってくれ」
「何も言わぬ黒い鶴はお嫌いですか？」
「ぅ、それは！」
「さぁ、もう寝ましょうか」
もう一度鶴丸さんの胸元に顔をうずめるように縋る。
そうすると、戸惑っていた鶴丸は息を一つ吐いて頭を撫でてくれた。
「ゆっくり休め」
その声で再び眠りに落ちて行った。
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静原レン(プロフ) - そこの本丸の審神者二人ともいいですかねぇ？やっちゃってぇ？ (2018年5月14日 18時) (
レス) id: 055681bc4f (このIDを非表示/違反報告)
お鶴 - 続きが気になる！ (2017年9月30日 22時) (レス) id: 0c420347ac (このIDを非表示/違反報告)
匡(プロフ) - 早く鶴さんと幸せになって欲しい(´･ω･`) (2017年9月30日 22時) (レス) id: 883bce3052 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - おもしろいです!更新頑張ってください！(*^-^*) (2017年9月30日 19時) (レス) id: f8ef116a38 (このIDを非表示/違反報告)
かめ☆ピス(プロフ) - 姫鶴ちゃん、頑張って！！きっと大丈夫ですよね！続きにとっても期待してます！頑張ってください！鈴城め！恨んでやるー！(`´) (2017年8月14日 21時) (レス) id: 7fd7f882ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭兎 | 作成日時：2017年2月23日 2時
