三十四羽 ページ34
「雪は初めてか」
「はい。雪の音(ね)に耳を傾けると自然と体が動くんです。
とても心地よい」
彼女は目をつぶって自然の奏でる旋律に身を任せた。
手を取ってそのまま舞いだした彼女につられて、鶴丸も舞いだした。
シャラン、シャン、サクサク。
衣擦れと、もらった耳飾りの音、そして微々たる雪の積もる音、そして二羽の鶴の舞う音。
気が付くころには雪は止んで、月明りが二人を照らした。
ふと、目を開けて月を見た。
そして、目の前の白い鶴は目を離したら景色に紛れてしまいそうなほど白い。
月明りの元で輝く白い髪、淡い黄色、古くからある、きはた色の瞳を見つめる。
踊る足を止めて少し上の彼の髪を梳いて頬を撫でる。
「白は美しいですね」
「俺は白いが、黒も好きだぞ」
そして彼は彼女のクチナシ色の瞳を見つめながら黒い髪を一束梳くって口付けた。
「…っ！何色にも染まらぬ可愛げのない色です」
「何色に染まらないからこそ強くて美しいというものだ」
息をのんだ姫鶴、そして頬に触れる彼女の手に自らの手を重ねる鶴丸。
そしてもう片方の手で彼女の耳飾りに触れた手を頬に滑らせ、引き寄せた。
「つ、つるっまっ」
言葉にならないが彼の名前を呼ぼうとするも、彼の頬に触れる手の親指が彼女の唇に触れて遮った。
吸い込まれるような瞳に言葉も息も止まる。
そして……
眼前で止まった。
「今の俺は見てくれるな」といって視界を彼の掌で遮られた。
ふっ、とほほ笑んで「今日は赤い鶴が見られました。縁起がいいですね」なんて言う彼女。
白い雪の中、本丸の庭で二人だけの世界のように思えた。
「そぅら、部屋に戻ろう。体が冷え切ってるぞ。
おなごが体を冷やしていいことないだろう！」
そう言って鶴丸は姫鶴を横抱きにして彼女の部屋まで送り届けた。
細い体なのに太刀だから力がある。
儚い見た目なのに豪気である。
きっとまだ知らないことは沢山あるだろうなぁ、と思いながら、2週間前のあの日から隣で眠るようになった白い鶴を見ながら眠りに落ちて行った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
鶴二羽をイチャイチャさせたいだけの人生だった。
姫鶴さん、シリアス続きでごめんね！
いつの間にかヒット数が10000hit超えてて驚きました！
お気に入りや評価も増えていて嬉しい限りです！
評価は作品書くモチベーションになってます。有り難や…有り難や…
これからも評価、コメントお待ちしてます！
よろしくお願いします！！
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静原レン(プロフ) - そこの本丸の審神者二人ともいいですかねぇ？やっちゃってぇ？ (2018年5月14日 18時) (
レス) id: 055681bc4f (このIDを非表示/違反報告)
お鶴 - 続きが気になる！ (2017年9月30日 22時) (レス) id: 0c420347ac (このIDを非表示/違反報告)
匡(プロフ) - 早く鶴さんと幸せになって欲しい(´･ω･`) (2017年9月30日 22時) (レス) id: 883bce3052 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - おもしろいです!更新頑張ってください！(*^-^*) (2017年9月30日 19時) (レス) id: f8ef116a38 (このIDを非表示/違反報告)
かめ☆ピス(プロフ) - 姫鶴ちゃん、頑張って！！きっと大丈夫ですよね！続きにとっても期待してます！頑張ってください！鈴城め！恨んでやるー！(`´) (2017年8月14日 21時) (レス) id: 7fd7f882ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭兎 | 作成日時：2017年2月23日 2時
