二十六羽 ページ26
ぼんやりする意識の中、息苦しさと腕の痛さで徐々にハッキリしてきた。
「あ、起きた？」
目の前には鈴城、見たことのない部屋の中で腕と胴体を縛られて床に転がされていることが分かった。
後ろ手に縄を縛るのみならず、首にも繋がっているとはなんと不愉快な事か。
息苦しさは首やら胴体にきつく縄で縛られているからか。
「私を付喪神だと知ってのこの無礼ですか？」
「俺は主だ」
冷たい目、冷たい声。
「だが、人の子だ」
床から見上げるようにせねばならない屈辱。
そして見下ろされながら自分の本体を握られている屈辱。
「さて、下書きは出来た」
嫌な予感がした。とても、嫌な予感。
机の上にあるのは私の本体。
そして審神者の手にはタガネという道具。
用とは一つ、刀身に刻み込む。
「祟られる覚悟はおありですか？
これ以上の無礼は主とて許しませんよ」
怒り、恐怖、悲しみ、覚悟、冷静に分析できる。
タガネを刀身に充てたれた。
「いう事を聞かない姫鶴ちゃんが悪いんだよ？」
それをきっかけに�爛�ン…”と打ち込まれた。
＿＿＿＿
＿＿
＿
「ほら、そんなに泣かないで。もう終わりにするからさ」
声と共に、私を傷つけた憎い手で頭を撫でる。
私はただ、歯を食いしばって耐えるしかなかった。
悲鳴などあげてやるものかと、激痛から漏れる声を飲み込んだ。
「ほら、今日はまだ軽く下彫りしただけだから。
もし、また主命に背くことがあればもっと彫り込むからね。
僕としては一気に仕上げてもいいんだけど、体がつらいでしょ？」
本体で縄を切られ、横に置くと鈴城は自分から部屋を出て行った。
痛む体を無理やり起こし、本体を鞘から抜くと刀身にうっすらと曲線が彫られていた。
屈辱に再び涙が出てきた。
くそ、とつぶやいて目元をこすり部屋の出口へと向かった。
どうやら本丸の裏にある山の洞窟に続いている道があったようでそこから帰った。
外はすっかり日が暮れ、星が瞬いでいた。
眼下にある本丸の明かりが涙でぼやける。
裸足で山道を下り、自室へと倒れるようにして入り込んだ。
泥や傷から出る血などかまわず部屋の角で座り込むと赤い椿が落ちていた。
あの男の霊気が込められていたので握りつぶした。
そして押し入れで寝て居留守を決め込んだ。
あぁ、体が重い。
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静原レン(プロフ) - そこの本丸の審神者二人ともいいですかねぇ？やっちゃってぇ？ (2018年5月14日 18時) (
レス) id: 055681bc4f (このIDを非表示/違反報告)
お鶴 - 続きが気になる！ (2017年9月30日 22時) (レス) id: 0c420347ac (このIDを非表示/違反報告)
匡(プロフ) - 早く鶴さんと幸せになって欲しい(´･ω･`) (2017年9月30日 22時) (レス) id: 883bce3052 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - おもしろいです!更新頑張ってください！(*^-^*) (2017年9月30日 19時) (レス) id: f8ef116a38 (このIDを非表示/違反報告)
かめ☆ピス(プロフ) - 姫鶴ちゃん、頑張って！！きっと大丈夫ですよね！続きにとっても期待してます！頑張ってください！鈴城め！恨んでやるー！(`´) (2017年8月14日 21時) (レス) id: 7fd7f882ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭兎 | 作成日時：2017年2月23日 2時
