二十羽 ページ20
「お帰りなさいませ主。第二部隊より新しい刀が来ました。そして鍛刀が完了しております」
本丸に帰ったら長谷部さんが待っていた。
はーい、と言いながら鍛刀部屋へ向かう主とその後ろをついてゆく長谷部さん。
「よーし、信濃。俺っちが本丸を案内してやる」
「僕も行く！」
「ぼ、ぼくも…」
短刀たちは笑顔で走っていき、加州さんと大和守さんはお風呂へ行ってしまった。
自室へ戻って顔隠しをとって髪紐をほどいた。
机の上に活けた白い椿を見て思い返す。
花束を捨てられたことが驚いたわけではない、あの怒りを宿した鈴城の目に驚いた。
「人の子とは難解な生き物だ」
「主の事か？」
１人だと思っていたのに声が聞こえたことで、本体の柄に手をかけて振り返るとそこには白椿をくれた白い鶴がいた。
「鶴丸さんでしたか…」
「どうだ、驚いたか？」
「首を切り落とそうと思ったくらいには驚きました」
「それはこっちが驚いた」
青い顔をした鶴丸さんに少し笑った。
ふぅ、と肩の力を抜いて抜きかけた刀から手を放した。
鶴丸さんは天井裏から覗かせていた顔を一度ひっこめると足から部屋に着地した。
「いべんとは楽しめたか？」
「そうですね」
と、先ほどの花束の出来事を思い出して花瓶を部屋の隅、障子から死角になる場所に移した。
「お、飾ってくれてるんだな。
それにしても何故そんな隅の方に置きなおしたんだ？」
その行動を不審に思った鶴丸は姫鶴に問いかけた。
いべんとの会場で出会った審神者から花束をもらうも鈴城に捨てられてしまった事を告げると
「そりゃあ、独占欲とか嫉妬だろうな」
と返ってきた。
「ほう、それは面倒だの」
「まぁまぁ、主殿も大切な家族に悪い虫がつかないように思ったんだろうさ」
顔をしかめる姫鶴を見て笑っている鶴丸。
「そろそろ夕餉の支度をせねばなりませんね」
「おっと、今日は俺も当番なんだった」
そう言ってなぜか天井板を外して天井裏から帰った鶴丸だった。
「私の部屋…天井にも出入り口があったとは思わなかった」
姫鶴はどこかぽけーーーっとした様子で鶴丸の消えた天井を見てつぶやいてから部屋を出た。
姫鶴さん、そうじゃない。と堀川さんや光忠さんに指摘されるのはまた別の話。
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静原レン(プロフ) - そこの本丸の審神者二人ともいいですかねぇ？やっちゃってぇ？ (2018年5月14日 18時) (
レス) id: 055681bc4f (このIDを非表示/違反報告)
お鶴 - 続きが気になる！ (2017年9月30日 22時) (レス) id: 0c420347ac (このIDを非表示/違反報告)
匡(プロフ) - 早く鶴さんと幸せになって欲しい(´･ω･`) (2017年9月30日 22時) (レス) id: 883bce3052 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - おもしろいです!更新頑張ってください！(*^-^*) (2017年9月30日 19時) (レス) id: f8ef116a38 (このIDを非表示/違反報告)
かめ☆ピス(プロフ) - 姫鶴ちゃん、頑張って！！きっと大丈夫ですよね！続きにとっても期待してます！頑張ってください！鈴城め！恨んでやるー！(`´) (2017年8月14日 21時) (レス) id: 7fd7f882ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭兎 | 作成日時：2017年2月23日 2時
