修行 ページ6
「はぁっ!!」
あたしは最後の一振りを止めてから、小さく息を吐いた。
何もないこの平地に来てから三日。
あたしはひたすら素振りと型の練習を繰り返した。
本当なら、対人練習もしたいけれど、人が居ないここでは仕方ない。
剣の稽古をしている間は、何でも忘れられる。
けれど、剣を止めると思い出してしまう。
あの時の刀の感触を。
恋人を迷い無く刺した、自分の恐ろしさを。
蘭丸を刺した後、あたしは冷静に理由をつらつらと述べていた。
けれど、それはあたしを正当化するようなもの。
そんな自分が怖い。
あたしは、フェイと何が違うんだろう。
皆を救う為に、そのプロセスで恋人を刺した。
結果的にそれが正しかったとしても、やったことは同じ。
あたしはもう、誰かを愛することも、愛されることもできない。
許されない。
あたしは首にかけられたチョーカーを撫でる。
時々少しだけふっと倦怠感に襲われるのはこれのせいだろう。
少しずつ蘭丸の為に、血を送っている。
それが、あたしにできる唯一の償い。
契約という名の元で、蘭丸と繋がっていられる。
こんな風に甘えているから、あたしはダメなのかもしれない。
けれど、もう蘭丸に触れることはできない。
優一さんには戻る為のブレスレットを貰ったけど、あたしは使わないと決めたから。
このまま一人で、誰も傷つけずに生きていくから。
けれど、ふとした時に思い出してしまう。
優しく、強引に抱きしめられた時の感触を。
少し背の高い蘭丸の腕に包まれて、強い力で精一杯の愛情を表現してくれて。
なにより、優しい温もりがあたしを包んでくれた。
「……っ。」
思い出す度に、あたしはこうして涙を流す。
悪いのは、あたしなのに。
またあの腕の中に戻りたくて。
「……みーつけた。」
涙を堪えるのに必死になっていた時
あたしは後ろから、強く抱きしめられた。
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千桜(プロフ) - Nakamahina0805 (2019年6月12日 20時) (
レス) id: 0d6cf0666b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ - ものすっごく感動しました！！すっごく好きです// (2014年1月7日 9時) (レス) id: 042c3de7ef (このIDを非表示/違反報告)
*ももらんま* - 続編希望です！！この小説すごく好きです///萌えてます///続編まってます(^^) (2013年9月7日 14時) (レス) id: a263b771fc (このIDを非表示/違反報告)
闇猫(プロフ) - 遅いかもしれないけどLINEIDです。yamineko1026です！良かったらいれてください！LINEの名前は蓮藍@厨二病@奈月です (2013年8月31日 20時) (レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
藍苺(プロフ) - 初めまして！！続編読みたいです！！失礼ですが、番外編の続編も読みたいです！！ (2013年8月1日 0時) (レス) id: 45daca7612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2013年3月28日 18時
