番外編1 ページ36
ここは、どこにでもある普通の中学校。
普通の設備に普通のクラスメイト。
でも、私は違う。
「ちょっと、廊下の真ん中ノロノロ歩かないでくれる？
邪魔なんだけど。」
廊下に広がって歩く女子集団に声をかける。
無駄にチャラチャラした女子達は私を睨んだ。
「あんたに言われる筋合いないし。何様のつもり？」
リーダーの女子の言葉に、私は我慢できなかった。
「何様、ねぇ。ふーん。」
そのまま、制服のポケットに手を伸ばす。
後悔したってもう遅い。
「私はね、超歴史的な吸血鬼の……」
「柚莉ちゃーーん！ちょっとお話しよっかー！」
いいかけたところで、細い腕に身体を思い切り引かれた。
そのまま、人気の少ない場所へ連れて行かれる。
私を引っ張ったのは、綺麗な金髪の女の子。
手を離した瞬間、彼女は呆れたように呟いた。
「あのねー……喧嘩だからって易々と能力使って言い訳じゃないんだからね。
おばさんもおじさんも言ってたでしょ？」
まるでお母さんみたいに諭す彼女……エミリに私は膨れた。
「何様、って聞かれたから……。
超歴史的な吸血鬼と伝説の血の間に生まれた吸血鬼の娘だって答えようとしただけだよ！」
そう。私……霧野柚莉は、吸血鬼のお父さんと伝説の血のお母さんの間に生まれた吸血鬼の娘。
そして今日誕生日を迎え、正式に吸血鬼の血が目覚めたばかり。
吸血鬼の使う術は小学校の頃から使えたけれど、術の源は血。
血を吸えなかったせいで、今まで大胆に術を使えなかったけれど、今日からは別。
ちょっと術を使って血を頂いて懲らしめようとしただけなのに……
「だーめ。私だっておばさん達に柚莉をよろしくねって言われてるんだから。
何かあったら私もシュウに怒られちゃう。」
そして、私の友達……エミリ。
エミリは人間だけど、魂を獣の型に具現化できる聖獣使いという人たちに育てられている。
そのせいか、はたまたエミリの能力なのか、エミリは少しだけ人の心を読むことができた。
「さっきの人達……かなり根に持ってるけど……」
「大丈夫！」
私は笑ってポケットを叩いた。
中には、小さな日本刀が入っている。
術で小さくしてある、お父さんとお母さんからもらった大切な刀。
「なら、良かった。
次、体育だよ？いこ？」
エミリの言葉にしばし考える。
確か、今日の体育って……
「……げ。」
男女混合バスケ。
最大のライバルとの授業だった。
「井吹と一緒か……」
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千桜(プロフ) - Nakamahina0805 (2019年6月12日 20時) (
レス) id: 0d6cf0666b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ - ものすっごく感動しました！！すっごく好きです// (2014年1月7日 9時) (レス) id: 042c3de7ef (このIDを非表示/違反報告)
*ももらんま* - 続編希望です！！この小説すごく好きです///萌えてます///続編まってます(^^) (2013年9月7日 14時) (レス) id: a263b771fc (このIDを非表示/違反報告)
闇猫(プロフ) - 遅いかもしれないけどLINEIDです。yamineko1026です！良かったらいれてください！LINEの名前は蓮藍@厨二病@奈月です (2013年8月31日 20時) (レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
藍苺(プロフ) - 初めまして！！続編読みたいです！！失礼ですが、番外編の続編も読みたいです！！ (2013年8月1日 0時) (レス) id: 45daca7612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2013年3月28日 18時
