運命の先に (本編最終回) ページ34
あたしは、蘭丸の体温を感じながら微笑んだ。
「最初は信じられなかったよ。
普通のクラスメイトが吸血鬼なんて。」
すると、蘭丸もつられたように笑った。
「俺だって、あの暴力女がーって思ったよ。
そんな身近に伝説がいてたまるかって。」
それはあたしの台詞だ、という言葉を呑み込んでから話を続けた。
「…………それなのに、ここまで来たんだね。」
「……あぁ。」
蘭丸と契約して、何度も命の危機にあって。
けれど、それを乗り越えて結婚して。
こんなに可愛い娘もできた。
運命としかいいようのない、偶然の連鎖。
あたしは今までずっと思っていたことを口にした。
「……もしかして、あたし達、あの映像の二人の生まれ変わりかもね。」
吸血鬼と吸血殺しの因縁の原因を写し出した残留思念。
そこに映っていた、伝説の血と吸血鬼。
運命に引き裂かれた禁断の関係。
もし、あたし達が生まれ変わりなら、あの二人は再び出逢えて幸せになれたってことだよね。
「……そうであってもそうでなくても。
俺はAが好きだから。
前世とか、血とか関係なく、強くて可愛いお前が好きだから。」
「あたしも、蘭丸が好き。」
たとえ、年月が過ぎて引き裂かれても。
あたし達はきっと知らず知らずのうちに引き寄せあう。
待っている未来がどんなものであれ、あたし達が愛し合っている事実は永遠に変わらないから。
だから、生まれ変わっても愛しあおうなんて言わない。
運命に、身を任せて、今この人を愛するだけ。
あたしは羽織っていたストールを脱ぎ、服の襟を折った。
蘭丸の、熱い吐息が首にかかる。
「あっ…………」
甘い、甘い感覚に、あたしは身を任せる。
満月の元、運命で結ばれた人間と吸血鬼は、そっと、ずっと抱き合っていた。
これは、吸血鬼とあたしの不思議な話。
永遠に続く、運命の恋物語。
完
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千桜(プロフ) - Nakamahina0805 (2019年6月12日 20時) (
レス) id: 0d6cf0666b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ - ものすっごく感動しました！！すっごく好きです// (2014年1月7日 9時) (レス) id: 042c3de7ef (このIDを非表示/違反報告)
*ももらんま* - 続編希望です！！この小説すごく好きです///萌えてます///続編まってます(^^) (2013年9月7日 14時) (レス) id: a263b771fc (このIDを非表示/違反報告)
闇猫(プロフ) - 遅いかもしれないけどLINEIDです。yamineko1026です！良かったらいれてください！LINEの名前は蓮藍@厨二病@奈月です (2013年8月31日 20時) (レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
藍苺(プロフ) - 初めまして！！続編読みたいです！！失礼ですが、番外編の続編も読みたいです！！ (2013年8月1日 0時) (レス) id: 45daca7612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2013年3月28日 18時
