姫 ページ26
それから十数年後。
かつては天才的武闘少女…伝説の血を持つ少女の恋の舞台となった血生臭い館に
新しい姫が誕生していた。
「京介、そいつ捕まえて!!」
「は？」
「やーだね、捕まるもんか!!」
古い廊下をギシギシ言わせながら走るのは
吸血鬼の末裔育成係の狩屋マサキ、剣術指導の剣城京介
そして。
その二人に追いかけられながら全く追い付かれる気配もない少女……柚莉。
薄い茶色の長い髪は色素が薄く、毛先は微かに桃色がかっていて
耳の辺りで二つに結わえてある。
少しつり目がちの、大きな青い目が特徴の13歳。
「……というか、何で追っかけてんだよ…。」
「柚莉が勉強つまんないからって逃げ出すから!!」
狩屋はそんな素行不良を放っておけないタイプらしく
この追いかけっこは毎日恒例のような光景になっている。
「マサキ、京介、足おっそーい!!」
振り向きながら余裕で走る柚莉。
けれどそれ故に、前から来ていた天敵には気づかなかったらしい。
「………柚莉？」
その言葉に、柚莉は一気に足を止める。
そのまま古い機械みたいにギシギシと首を回し、大きな瞳に声の主を写した。
剣術も含む格闘技全般担当、あたし……霧野A。
柚莉はえへへと笑って逃げ出そうとしたけれど
「逃がさないからねっ!!」
小さな身体を抱え込み、そのまま背負い投げ。
「いったぁ……!!」
「また柚莉は脱走したのか？」
柚莉が身体をさすると同時、別の声があたしの後ろから響いた。
振り返ると、そこにいたのはあたしの愛しい人。
「蘭丸!!」
首長補佐…霧野蘭丸。
柚莉は蘭丸を見るやいなや、あたしの事をビシッと指した。
「お父さん!!
いい加減私が脱走したからって背負い投げするお母さんを注意してよ!!」
そう、柚莉のフルネームは霧野柚莉。
あたしと蘭丸の間に生まれた、歴史的な吸血鬼の娘だ。
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千桜(プロフ) - Nakamahina0805 (2019年6月12日 20時) (
レス) id: 0d6cf0666b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ - ものすっごく感動しました！！すっごく好きです// (2014年1月7日 9時) (レス) id: 042c3de7ef (このIDを非表示/違反報告)
*ももらんま* - 続編希望です！！この小説すごく好きです///萌えてます///続編まってます(^^) (2013年9月7日 14時) (レス) id: a263b771fc (このIDを非表示/違反報告)
闇猫(プロフ) - 遅いかもしれないけどLINEIDです。yamineko1026です！良かったらいれてください！LINEの名前は蓮藍@厨二病@奈月です (2013年8月31日 20時) (レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
藍苺(プロフ) - 初めまして！！続編読みたいです！！失礼ですが、番外編の続編も読みたいです！！ (2013年8月1日 0時) (レス) id: 45daca7612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2013年3月28日 18時
