幕引き ページ20
「……ごめん、俺……フェイとは一緒に行けないよ。」
天馬の言葉にフェイは勿論、私達も呆然とした。
「どうして……!!
天馬、僕とは居れないの？
天馬は、僕のこと嫌い……？」
「……そんなわけない。」
再び泣きだしそうなフェイに天馬は優しく、けれど強く声をかけた。
「…フェイ、言ったよね？
僕達二人で償っていこうって。
フェイと離れるのは、勿論嫌だよ。
だって、フェイは僕の半分だから。
フェイは僕の友達だから。
」
「……っ。」
「そして、そんな俺たちが離れる事、それが償いなんじゃないかな？
フェイは聖獣使いをもっともっと良くして
俺は聖獣使いと、吸血鬼と、人間を繋ぐ存在になる。
ね？」
天馬の考えに、あたしは思わず胸が苦しくなった。
フェイも天馬も、ちゃんと温かい心を持っている。
しかも、償いとしてこの世界を少しでも良くしようとしている。
たとえ半身と離れても。
「大丈夫、フェイには俺だけじゃなくて皆がいる。
だから、お互いに役目を果たせたらまた会おう？」
「……天馬…っ!!!!」
フェイが天馬に抱きついた瞬間、あたしの目からは涙が止まらなくなった。
そんなあたしの手を、隣にいる人が優しく包んでくれた。
温かい気持ちが、身体中に行き渡ってる……。
「……じゃあ僕達は、役目があるからいくね。」
暫くして、シュウが切り出すと、フェイはそっと天馬から離れた。
「またいつか、会おう。」
「……うん!!」
天馬とフェイは笑いあうと、互いにいるべき場所に別れた。
一人はあたし達の列に
もう一人は聖獣使いの列に。
「じゃあ、準備はいい？」
「うん、大丈夫。」
優一さんが手をかざすと、四人の足元に暗闇ができた。
そのまま吸い込まれてしまう前に、あたしはずっと気になっていた事を言った。
「フェイ、もしかして本当は純粋にエリアが好きだったんじゃ……」
あたしの問いに、フェイは微笑んだだけだった。
哀しい、若葉色の目をして。
やがて四人が虚空に消えると、蘭丸はポツリと呟いた。
「……終わったんだな。」
「……うん。」
今、吸血鬼と聖獣使いの闘いは完全に終結した。
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千桜(プロフ) - Nakamahina0805 (2019年6月12日 20時) (
レス) id: 0d6cf0666b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ - ものすっごく感動しました！！すっごく好きです// (2014年1月7日 9時) (レス) id: 042c3de7ef (このIDを非表示/違反報告)
*ももらんま* - 続編希望です！！この小説すごく好きです///萌えてます///続編まってます(^^) (2013年9月7日 14時) (レス) id: a263b771fc (このIDを非表示/違反報告)
闇猫(プロフ) - 遅いかもしれないけどLINEIDです。yamineko1026です！良かったらいれてください！LINEの名前は蓮藍@厨二病@奈月です (2013年8月31日 20時) (レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
藍苺(プロフ) - 初めまして！！続編読みたいです！！失礼ですが、番外編の続編も読みたいです！！ (2013年8月1日 0時) (レス) id: 45daca7612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2013年3月28日 18時
