懺悔 ページ16
天馬が、天馬じゃなくなる……。
あたしは、事件の前の天馬を思い出していた。
いつも笑顔で、素直な天真爛漫なやつ。
時々する天然な発言が可愛かったりして、まるで皆の弟みたいだった。
そんな天馬が……。
あたしを含め、皆が考えこんでいたその時。
「……っ…」
「フェイ……!!??」
光の円の中に居たフェイが目を開け、ゆっくりと身体を起こした。
フェイはあたし達を見渡し、それから横で眠る天馬を見た。
その瞳は、哀しげで、けれど何かを強く思っているようだった。
「……天馬から、僕の聖獣を引き剥がすつもり？」
暫くしてから、フェイはぽつりと呟いた。
その声からは、怒りも動揺も感じられない。
とても、静かな声だった。
「あぁ。
また何か企まれたら困るからな。」
白竜が同じように静かに告げると
フェイはいきなり頭を下げた。
「え……!!??」
「僕はどうなっても構わない。
だけど、天馬には手を出さないで欲しいんだ。」
そう告げるフェイの声は、淡々としているのに何故か必死だった。
まるで、天馬を本気で守ろうとしているように。
「……どうして？」
あたしが思わず尋ねると、フェイは顔を上げ、そして口を開いた。
「僕は、ずっと寂しかったんだ。
未熟な時は、力のせいで人の魂にすぐ反応してた。
『喰いたい』って。
それが怖くて、僕は人と関わるのを避けた。
だから、僕は自分の力が嫌いで、それを別の人間に移した。
…天馬の前世に聖獣を移したのは、元は計画の為じゃなかったんだ。」
フェイ……。
「それでもまだ、嫌いな力は僕の中に残ってた。
だから、こう考えたんだ。
逆にこの力を使って、人を集める……支配者になればいいって。
だから、一度僕ごと聖獣使いを封印した。
天馬の前世を、僕の聖獣を道具にしてね。
そして、封印が解かれ、天馬と会った。
驚いたよ。
僕の聖獣が、こんなに明るい人間として生まれ変われたなんて。
しかも、恐れずにこんなに近くに居てくれる人が居るなんて、こんなに嬉しかったんだって。」
フェイの顔は、いつの間にか笑っていた。
けれど、恐ろしい計画を話していた時とは違う、優しい笑みだった。
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千桜(プロフ) - Nakamahina0805 (2019年6月12日 20時) (
レス) id: 0d6cf0666b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ - ものすっごく感動しました！！すっごく好きです// (2014年1月7日 9時) (レス) id: 042c3de7ef (このIDを非表示/違反報告)
*ももらんま* - 続編希望です！！この小説すごく好きです///萌えてます///続編まってます(^^) (2013年9月7日 14時) (レス) id: a263b771fc (このIDを非表示/違反報告)
闇猫(プロフ) - 遅いかもしれないけどLINEIDです。yamineko1026です！良かったらいれてください！LINEの名前は蓮藍@厨二病@奈月です (2013年8月31日 20時) (レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
藍苺(プロフ) - 初めまして！！続編読みたいです！！失礼ですが、番外編の続編も読みたいです！！ (2013年8月1日 0時) (レス) id: 45daca7612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2013年3月28日 18時
