お芝居 ページ12
蘭丸の瞬間移動で吸血鬼の館に帰ると真っ先に優一さんが出迎えてくれた。
「あ、お帰りなさい。」
いつもの笑顔に、更に策士らしい雰囲気が漂っている。
「……すみません、折角色々してもらったのに…。」
あたしが頭を下げると、優一さんは首を横に振った。
「いいんだよ。
問題は解決したみたいだし、事後処理は任せて。」
「はい……あ。」
あたしはポケットに入れたものを思い出して優一さんに渡した。
切れたチョーカーと、ブレスレット。
「すいません、チョーカー壊しちゃって……」
若干蘭丸を横目で睨みながら謝ると、優一さんはきょとんとして
それから何故か笑った。
「へ？」
「ごめんね、何でもないよ。
それより、早く皆の所に行ってあげて。
心配してたから。」
「はっ、はい……」
あたし達は釈然としないまま、部屋に戻った。
優一さんが、優しく笑っているのをちらりと見てから。
・
・
・
二人が去った後、入れ違いになるように弟が部屋に入ってきた。
かつて固く閉ざされていた扉は今は大きく開かれ
京介は毎日のように来てくれた。
「兄さん。」
「あ、京介。
Aちゃん、帰ってきたよ？」
微笑みながら告げると、京介は俺の手元に目をやった。
「……両方とも、ただのアクセサリーだったんだな。」
「正解、よく気づいたね。」
弟の観察眼の鋭さを褒めながら俺はアクセサリーに目を落とした。
Aちゃんの願いを聞いて、Aちゃんが蘭丸を刺した後悔を感じているとすぐに分かった。
彼女の悩みは、二人で話し合う以外解決する方法が無い。
だから、敢えて血を送る術式をAちゃん本人にかけ
それをチョーカーの効果だと嘘をつき
ただのブレスレットを瞬間移動の道具として渡した。
理由は二つ。
蘭丸がAちゃんを迎えに行って連れ帰らないと
Aちゃんの悩みは晴れない…
蘭丸が来ない限り、戻って来るのは良くないと思ったから。
もう一つは……
単純に、チョーカーを使って蘭丸に嫉妬心を抱かせる為。
嫉妬心は、人の行動を大胆にさせるから。
「……随分手の込んだ作戦だな。」
俺の答えに京介は笑いながら肩をすくめた。
「そう？
感動的な恋物語の手助けをした……
これほど最高な事ってあまり無いと思うけどなぁ。」
俺は京介に笑顔を返した。
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千桜(プロフ) - Nakamahina0805 (2019年6月12日 20時) (
レス) id: 0d6cf0666b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ - ものすっごく感動しました！！すっごく好きです// (2014年1月7日 9時) (レス) id: 042c3de7ef (このIDを非表示/違反報告)
*ももらんま* - 続編希望です！！この小説すごく好きです///萌えてます///続編まってます(^^) (2013年9月7日 14時) (レス) id: a263b771fc (このIDを非表示/違反報告)
闇猫(プロフ) - 遅いかもしれないけどLINEIDです。yamineko1026です！良かったらいれてください！LINEの名前は蓮藍@厨二病@奈月です (2013年8月31日 20時) (レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
藍苺(プロフ) - 初めまして！！続編読みたいです！！失礼ですが、番外編の続編も読みたいです！！ (2013年8月1日 0時) (レス) id: 45daca7612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2013年3月28日 18時
