目覚め ページ1
「んっ……」
俺は身体中に走る痛みを感じながら目を開けた。
真っ先に飛び込んできたのは憎たらしい一族の顔。
「……あ、気がついた？
よかったーー、気ぃ張ってるの疲れるんだよね。」
狩屋は大きく欠伸をしてから俺を見た。
辺りを見渡せば、そこは見慣れた吸血鬼の部屋だった。
「俺……」
うまく記憶を呼び戻せずに頭を抑えていると、狩屋が軽い調子で話し出した。
「丸三日ずっと眠ってたぜ？
傷は塞いだけど体力の回復には眠りが一番ってことかな。
感謝してよ？
何かあったらって徹夜で見張ってたんだから。」
狩屋が指さした先には、壁にもたれ掛かって眠る剣城と神童がいた。
皆で、俺を心配してくれたのか…。
徐々に覚めてくる頭で、俺は大切な事を思い出した。
「聖獣使いとの闘いは？」
よく考えると、聖獣に『喰われて』からの記憶が全くなかった。
狩屋は一瞬黙ってから、口を開いた。
「……勇敢なお姫様のおかげで終わったよ。」
その言葉で、俺はすぐにAが敵を倒したことを悟った。
そういえば、姿が見えない。
シュウに囚われた時からずっと、触れられなかった姫。
会いたい。
「狩屋、Aは？」
はやる気持ちで問いかけると、狩屋は気まずそうに視線をそらした。
「……Aは、いない。」
いない……？
家にでも帰ったのだろうか。
俺は狩屋の制止も聞かずに瞬間移動する。
そのまま久しく帰らなかった人間としての住まいに駆け込んだ。
「おばさん、ただいま!!」
「蘭くん、お帰りなさい。」
いつも通りに優しく笑いかけてくれるおばさんに安心してから、急いで尋ねた。
「おばさん、Aは？」
けれど、俺の問いかけに、
「A……？誰？」
おばさんはとぼけた返事を返してきた。
胸騒ぎを抑えながら、努めて明るい声を出した。
「やだなぁ、娘に関してボケないでよ!!」
けれど、おばさんの顔は変わらない。
「娘……？
何言ってるの？
私には子供ができなかったから、こうして蘭くんを引き取ったんじゃない。」
は………？
Aの事、本気で忘れてる…!!??
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千桜(プロフ) - Nakamahina0805 (2019年6月12日 20時) (
レス) id: 0d6cf0666b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ - ものすっごく感動しました！！すっごく好きです// (2014年1月7日 9時) (レス) id: 042c3de7ef (このIDを非表示/違反報告)
*ももらんま* - 続編希望です！！この小説すごく好きです///萌えてます///続編まってます(^^) (2013年9月7日 14時) (レス) id: a263b771fc (このIDを非表示/違反報告)
闇猫(プロフ) - 遅いかもしれないけどLINEIDです。yamineko1026です！良かったらいれてください！LINEの名前は蓮藍@厨二病@奈月です (2013年8月31日 20時) (レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
藍苺(プロフ) - 初めまして！！続編読みたいです！！失礼ですが、番外編の続編も読みたいです！！ (2013年8月1日 0時) (レス) id: 45daca7612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2013年3月28日 18時
