検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:2,420 hit

2 ページ2

お気に入り+評価ありがとうございます!
_______



熱い____

私の思考は、とにかくそれで埋め尽くされていた。

走馬燈が起こる暇と余裕さえ与えられず、私の生涯は、あっけなく幕を閉じた。









はずだった。


私の意識は、ただぼんやりと浮かぶように存在していた。

それはまるで、眠っているかのような感覚だった。

視界は開けていないのに、意識だけがそこにある。

死ぬ、という事を当然経験したことが無い私は、さして思考もせずにその状況に納得していた。

このまま、幽霊にでもなったりするのだろうか。

そんな事を思っていると、突然どこからともなく歌が聞こえ始めた。

音源など探れる筈も無く、不思議に思いながらも、その歌声に耳を傾ける。

単純に、美しいと感じた。

語彙力の無い私には、到底言葉にしきれないほどに、その歌声は超越していた。

綺麗で、透き通っている。歌声で水を連想させられたのは初めての事だった。

そして、どこか懐かしいような心地もする。

はて、何処で感じたものだったかと、生前の記憶を掘り起こしてみる。

___…あぁ、そうか。

何故、こんなにも美しいと感じたのか。何故、懐かしさを覚えたのか。

思い出した。これは、母の愛なのだ。

そこに、余計な感情は介入できない。ただ、純粋な愛情だけがそこにある。

そんな、子守歌だったのだ。






しばらく、歌に聞き入っていた。

こんな体なので眠る心配は無かったが、なぜ子守歌が聞こえてくるのかという謎は相変わらずだった。

そもそもこれは、私に向けられたものなのかすらわからない。

ついでに言うと、今自分が生きてるのか死んでるかも分からない。

ぶっちゃけ退屈だった。

暇を持て余していた頃、子守歌は、はたと聞こえなくなってしまった。

代わりのように、朗らかなトーンの話し声が聞こえる。

これが、私たちの子よ、あなた____

そんな言葉が聞こえたと思うと、不思議なことに、体がだんだんと温まり始めた。

心なしか、視界まで明るくなってきたように感じる。

そこで、気付いた。

もしかすると私は_____






俗にいう、転生ってやつをしているのではないかと。

そして、その予感は見事に的中する。が。

その瞬間、あまりにも予想外なことが起きた。

「よかった…無事に生まれてきてくれて…ね、あなた」

「ああ、これで、はこの代の悪魔族は安泰だな。」



……ゑ?



どうやら私は、とんでもない世界に転生したようです。

3→←1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

カノ最高!!!!(プロフ) - らんくる番長さん» こちらこそ返信ありがとうございます!活動応援してますね! (2018年5月18日 2時) (レス) id: 88a4801eb5 (このIDを非表示/違反報告)
らんくる番長(プロフ) - カノ最高!!!!さん» コメントありがとうございます!嬉しいです。励みになります! (2018年5月16日 19時) (レス) id: 2c4ca24e11 (このIDを非表示/違反報告)
カノ最高!!!!(プロフ) - とても面白い展開ですね、僭越ながら更新心待ちにしてます (2018年5月15日 0時) (レス) id: 88a4801eb5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らんくる番長 | 作成日時:2018年5月5日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。