34,感謝と質問 ページ43
私を守ってくれたワイシャツは、だんだん離れていった。…と、いうか起き上がった。
俗に言う「床ドン」のような形になっているこの状況……
目が合ったのは
助けてくれたのは
──ラント君だった。
顔を見るのがもう気まずくて、このまま逃げてしまいたくもなった。…が、助けてくれたんだ。お礼くらいは言わなくては…。
「…あ、ありがとう…ございます…。…あの…どうして私を?」
よくよく考えてみれば、私は通学路を通ってこなかった。…どうしてこんな道外れで起きそうになった事故を、防げたのだろうか。
「…Y学園内で事件や事故を起こそうとしている時点で詰めが甘い。既にあの男の事は、生徒会でも有名になっていたからな…通学路も使わず帰っていたし、なにか関係があるのかと思って、尾行してきたんだ。しかし…標的らしき姫川フブキにはなにもしなかったからな…まさかと思って追いかけてきたら、君が轢かれそうになっていたんだ」
「そうだったんだ…。…ありがとうございます。」
フブキと別れた私を追って見つけて、そのまま轢かれそうな人間を突き飛ばして助けるとか…身体能力高すぎなんじゃないだろうか…。
…それにしても、そろそろこの体勢が恥ずかしくなってきた。でも…久しぶり──2、3週間ぐらいだろうか──に顔を見ると…やっぱりカッコイイな、なんて思ってしまうわけで。
小さい頃から美人だな…なんて思ってきたけど、まさかここまで美人に育ってるとは……成長というのは恐ろしい。
──思わず、ラント君の顔を見つめてしまっていた。
…すると、真剣な顔をしたラント君と目が合う。
目が合ったまま
一秒。二秒。
先に沈黙を破ったのは、ラント君の方だった
「……少しだけ………今からする質問に、答えてくれないか」
「…はい」
飲み込まれそうなほど深い、深い、翡翠色の目で見つめられてしまっては──断ることなんて出来なかった
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ユーリ(プロフ) - るーんさん» ありがとうございます!!なんと言いますか...上手くいかない、不器用で少し悲しい、だけどその分幸せになる...というか、そんな感じの小説を書きたかったので、キャラクターたちの心情をメインに、詳しく書くようにしています笑 頭は....あんまり良くないです(泣) (2020年1月30日 17時) (レス) id: 98829acb9e (このIDを非表示/違反報告)
るーん - ユーリさん» かっこいいですよね!霧隠ラント君!アニメのラント君もこの小説で見るラント君も大好きです!この小説は文が丁寧で読んでてとっても面白いです!頭が良いお方ですか!? (2020年1月30日 17時) (レス) id: b0ef9d9d52 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - るーんさん» 初めまして!コメントありがとうございます。まさかのアニメを見て惚れた方!?アニメの方よりも、不器用な感じのラント君ですが...好きになって頂けたなら嬉しいです!ありがとうございます! (2020年1月29日 20時) (レス) id: 98829acb9e (このIDを非表示/違反報告)
るーん - はじめまして!アニメを見て霧隠ラント君が好きになってしまいました。(笑)一目惚れです。でもこの小説を読んで200倍好きになってしまいました!これから更新頑張ってください!毎日の楽しみにします! (2020年1月29日 20時) (レス) id: b0ef9d9d52 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - あめさん» 初めまして!!温かいお言葉をありがとうございます...色々と考えて書いているので、本当に嬉しいです。霧隠推しの方からそう言っていただけると、少し自信が着きますね(笑)なるべく更新出来るよう頑張りますので、これからもmarionette dollをよろしくお願いします! (2020年1月24日 16時) (レス) id: 98829acb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユーリ | 作成日時:2020年1月12日 15時