marionette doll【霧隠ラント】

10，愛娘 ページ13

翌日、私は昼休みと放課後にフブキちゃんと女子会をすることになった。
2人で会？と思ってはいたが…いざ、会場…図書室に行ってみると、そこに居たのはフブキちゃんだけではなかった。

「紹介するね。こちら、転校生の望月Aちゃん
芸能基準の1年生で、YSPクラブに入部してくれたの！｣

フブキちゃんが、丁寧に私の説明を、私の目の前にいる少女──金髪の可愛らしい女の子だ──にしてくれている。
すると、目の前の少女はその綺麗な姿勢のまま、私にお辞儀をした。

「こちらは大王路エマさん。なんと、あの学園長の娘さんなの！」

「大王路エマです。Aさん、これからよろしくお願いします」

自身の耳を疑った。…学園長の娘さん…！？
そんなに凄い人と、フブキちゃんすっごく仲良さそう……YSPクラブって、本当に何者なの？

「それで、フブキさん。…今回は、どうして私まで呼んでくださったのですか？」

一通り挨拶も終わり、個室の勉強スペースへと移ると、エマちゃん─ちゃん付でいいものだろうか─は
フブキちゃんにそう問いかけた。
すると、フブキちゃんはふふふ…と不敵な笑みを浮かべると、立ち上がってこう宣言した。

「これからエマさんに、ジンペイ君のことをどう思っているのか聞こうと…つまりは、ジンペイ君への恋を、お助けしようの会を開きます！！！」

ボンッと一気に顔が赤くなって、エマちゃんの敬語が崩れた。

「な、何言ってるの！？そ、そんなの恥ずかしい…！！！」

先程のお淑やかさはどこへやら。しかし、フブキちゃんの腕を掴んで揺らして必死に抗議する姿は、年相応の女の子そのもので…実はこっちが本当のエマちゃんなのかな？と思った。…どっちにしろ可愛いけどね。

そもそも私は、エマちゃんがジンペイ君を好きだということすら今聞いたばかりなので、正直驚きが隠せない。エマちゃん…つまりは、学園長の愛娘のハートをゲットするなんて…ジンペイ君ってば、何者なの？

──必死に抗議を続けたエマちゃんだったが、結局はフブキちゃんや私に意見を貰いたい…と折れた。
どうやら彼女は、どうやって告白したらいいかを聞きたいらしい。

…いや、エマちゃんだったらどうしたってOKでしょ

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