大倉くんとすば子ちゃん ページ5
忠義side
「あれ、大倉やん。」
今日は丸子とデートの約束をしていた。
そこで、声を掛けられたのは、丸子ではなく、亮ちゃんの彼女、すば子ちゃんだった。
「すば子ちゃん、何してるん？」
「亮と待ち合わせ。寝坊したから珍しくうちのが早いねん。めっちゃ謝ってた笑」
「ああ…」
すば子ちゃん目立つもんなあ、亮ちゃん頑張ってるんや。
「大倉は？」
「俺もこれから丸子とデート。」
「ふーん、あんま傷つけたらあかんで。」
「そ、それは…まあ…気を付けるわ…」
「……いい事教えてあげようか、大倉。」
「いい事って？」
すば子ちゃんの顔全然いい事考えてる顔じゃないんやけど！
「村子もやけど、丸子にうちが男やったら、惚れてるわ、付き合いたいって言われたで。なんか不満があるんやないのー？」
とニヤニヤ顔で俺にいうすば子ちゃん。
すば子ちゃんが男やったら、付き合う。
丸子も村子ちゃんも…？
「…まじ？」
「まじまじ。ま、あんまひどいことして傷つけるようなら、うちが丸子のこともらってあげてもええんやで？男やなくても、うちのが大切にできるし。」
とすば子ちゃんはわるーーい顔をして言った。
「冗談やろ、勘弁してや。」
「冗談ちゃうよ、ほんま。」
すば子ちゃんがこっちをまっすぐ見てて、その目がほんまにまっすぐやったから、すば子ちゃんには亮ちゃんがいるやろって言い返せなかった。
「お、俺のが大切にできるし！」
「ふふ、まあ、頑張りや。じゃあ亮来たから、うち行くわ。」
とさっきとは打って変わって、亮ちゃんならかわええっていうだろうなって笑顔で笑うすば子ちゃん。
今の俺には正直悪魔の顔にしか見えへんのやけど。
俺、とんでもない人に目つけられたんちゃう…？
ていうか、丸子の話で抜けてたけど、村子ちゃんもそう言ったん？
横山くんにも気をつけてって言ったこ。
ちなみにいうと、今日のデートで俺はめっちゃ丸子に優しくした。
そしたら、丸子はなんて言ったと思う？
今度は何たくらんでるん？やで！
普段の態度って大事なんやなって痛感した。
こんな言われてしまう俺やけど、丸子のことはすば子ちゃんにあげられへんで！
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作者名：らん | 作成日時：2017年8月19日 12時
