恋の歌

友人兼妹のMさんのお話 ページ37

丸子side



章子とお兄ちゃんの2人が付き合い始めた。




2人が付き合ってから、初めて章子と2人でお出かけをすることになった。






「まるが髪やってくれてなー？もう、めっちゃ嬉しかった！」





なんて嬉しそうに可愛らしく言う章子。



うん、かわいい。でもな、章子。




「それもう何回も聞いたよ笑」






そう、章子は相当嬉しかったのか何度もこの話を私にする。




しかも私はお兄ちゃん側からも聞いとるから、ほぼ倍の数で聞いとる。




「あ、ごめん！嬉しくて、つい！」




と謝る章子。


まあ、章子がそんな風に話すのかわええなって思っとるから毎回最後まで聞いてしまうんやけど。







「ううん、全然。お兄ちゃん私の髪でめっちゃ練習しとったから、丸子も関わってるようなもんやし。」






「え！なにそれ、聞いたことない！」






あれ、お兄ちゃん、言ってなかったんやろうか？






「お兄ちゃん、私の髪で章子のヘアアレンジする練習しとったんやでー。劇決まった日からやから、2週間くらいずっとー！」






「…そ、そうなんや。」





そう言いながら、頰に手を当て嬉しそうにはにかむ章子。





ふふ、かわええなあ。






「まるは優しいよね、そういうのすぐ気回してくれて。」






「せやなあ、私もよくお兄ちゃんには助けられてる。でも、お兄ちゃん、言ってたよ？章ちゃんが優しくて笑顔がかわいいんやって。」







「ええー、もぉー、まる、なに言ってんねん。嬉しいけどなー！」






なんて言って、花が咲いたように笑う章子。





お兄ちゃんも章子の話してた時、こんな感じで笑ってたなあ。







なんかええなあって思う。






お互いに優しいって思ってて、こんな風におんなじ顔して笑えるのって素敵なカップルやと思わへん？






「なしたん？丸子。ぼーっとして。」







「んー、なんか2人が幸せそうでええなあって思って」






「丸子は案外近くにおるかもしれへんよ。丸子をすごく好きな人。」







「え！？だれ？」






「ふふ、それは言えへんけど。」





この言い方は、章子、なんか知っとるんかな？




知りたいけど、章子は案外口が硬いから教えてくれないだろう。





でもまあ、もし、ほんまにそんな人がおったなら、お兄ちゃんと章子みたいなカップルのなりたいなあ、なんて思った。

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