ヒロインにはなれない (ページ10)

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「あ、ジャージありがとう。」

深田と話しながら帰ってるとき、ふと朝の出来事を思い出した。

「いいよ笑黒ちゃんのじゃなくごめんね笑」

「正直あの時きつかったから助かった笑」

私には注がれない愛おしいあの視線を思い出した。

「無理して笑わんくていいよ」

一日ずっと我慢してたのに、深田の直接的なその優しい言葉で涙が溢れそうになる。

「やめてよ笑泣いちゃいそうになるから笑」

「泣きたいときは泣きなよ。俺いつでもすぐ駆けつけるから笑」

「ありがと、、てか深田かっこよすぎでしょ笑」

笑いながら顔を上げて、深田のほうを見ると、はずって言いながら顔を真っ赤にしてた。

真っ赤な深田を撮ろうと思いスマホを取り出すためポケットに手を入れたとき、

「やばい、教室に忘れた。」

「ねえー笑しっかりして笑」

「深田が急かしたんじゃん！」

校庭にもう到着していて、深田に一緒に来てもらうのは申し訳ないから、

「ダッシュで取りに行くけど先帰っててもいいよ。」

「いや、一緒に行くよ笑」

「元陸部なめないで！バカ早いから！！」

「分かった笑ここで待ってる」

走らなくてもいいよって深田には言われたけど、走って教室に向かった。