ヒロインにはなれない (ページ8)

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今日は室内で男子女子分かれて、バスケだった。

「ちょっと休憩させて笑」

「Aいないとうちのチーム終わるんだけど！」

「いや、みう女子バスじゃん笑」

同じチームの子たちからも試合に出て言われるけど、

「わたしずっとフルで出てるから！笑次の試合出るから笑」

許してってお願いすると、絶対次出てねって圧をかけられた。

深田から借りたダボダボなジャージを脱いで男子のバスケを見てると、

「やっぱ、お前うまいな笑」

半袖の体操服を肩までまくってる湧が横に座ってきた。

「やっぱ、完璧で無敵なアイドルなんで」

「自分でそれ言うのかよ笑」

湧と笑いあっていると、

「あのさ、まだ黒ちゃん好き？」

「もちろん。一生好きだよ。でも、さすがに二人が付き合ったりしたら、大人しく身引くよ」

「そっか。」

多分湧は黒ちゃんから先輩の話を聞いていて今私に質問してるんだろう。

「でもさ、正直なんで黒ちゃんがあんな地味な先輩好きなんだろう。」

一度も染められたことのない黒い髪を下のほうで一つにまとめて、身長は私よりも小さく、健康的な体系、すべてが真逆すぎる。

「黒ちゃんの一目ぼれらしいよ」

「そっか、あ、明日から私も地味になろっかな」

「言い方ひでぇ笑」

視線を男子バスケのコートに戻すと完全に浮かれてる黒ちゃんと目が合った。

ふにゃっと私が好きな笑顔で手を振られたから、控えめに振り返した。

「見といて」

黒ちゃんに口パクされた。

「やっぱ、好きだな、、」

届くことない想いを一人つぶやいた。