ヒロインにはなれない (ページ7)

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「起きろ寝坊助」

机の上に置いてあったペットボトルで頭を叩かれた。

「みう、まさか授業もう終わったとかいう？」

「そのまさかだよ。寝坊なんて珍しいね」

「ほんとに、てかメイク適当だからあんま見ないで」

「あんたはいつでもかわいいよ」

「え、みう好ｋ、あ！黒ちゃんに話しかけないと！」

私より黒田かよって言っているみゆをおいて黒ちゃんのもとに駆けつけた。

「おはよう黒ちゃん今日もかっこいいね！」

「おはよう笑朝来てAいなかったから、心配した」

「黒ちゃん付き合う？」

黒ちゃんに爆笑しながら流された。

「何で寝坊したの？」

「んー黒ちゃんのこと考えてたら起きれなかった！」

「何だそれ笑電話してくれたらいいのに笑」

こうやってまた期待させて、苦しくなるんだよ。

「てか次体育だからA着替えないと」

深田が後ろから言ってきた。

「ほんとだ、てか！私ジャージ忘れたんだけど、黒ちゃん持ってたりする？」

「あー、ジャージは、、」

黒ちゃんが少し気まずそうな顔をした時、教室の後ろの方から、

「黒田ー、先輩が呼んでる。」

その声とともに私から視線が外れて、私には注がれない愛おしくて優しい視線をドアの方に向けた。

振り返らなくても誰かがわかってしまうのが嫌になる。

「ごめん、行くわ」

そう言って、私には目もくれず先輩の方へ行ってしまった。

「俺のジャージ貸してあげる」

「いいよ、深田同情なんて、」

ん、って綺麗に畳まれたジャージを渡してきた。

「ありがと。」

「A〜！置いてくよ！」

黒ちゃんとは真逆のドアにいる、なっちゃんとみうの元に駆け寄った。

廊下に出た時、後ろを振り返ると先輩が黒ちゃんにジャージを返してた。

なんだ、そうゆうことか、

「ほら、置いてくよ？笑」

「ねぇーやめてよ笑」

その場から早く消えたくて走った。