ヒロインにはなれない (ページ6)

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「なるべく早めでお願いします」

「え、Aって遅刻気にするタイプ？」

「いや、今日の黒ちゃんに早く会いたいだけ。」

「なんだ、また黒ちゃんか笑」

あの一緒に日誌を書いた日以降、ぎりぎりに登校する黒ちゃんを出迎えるために本鈴の15分前には登校してきた。

「てか今深田、黒ちゃんの隣の席ずるいんだけど」

高2からは深田も同じクラスで、現在は黒ちゃんの隣の席。

「席替えの時私深田に変えてって言ったのに～」

「そこはルールやん笑」

「え、なに深田も黒ちゃん好きなの？」

「違うわ！笑」

「Aは黒ちゃんのどこが好き？」

「チャラそうな見た目して中身チャラくないとこ」

「あーね笑」

「まあ、あとは、顔？」

「顔かい笑」

そんな話をしていると、学校についた。深田と教室に入るともうすでに授業が始まっていて、
「遅い。」と先生に叱られた。

「遅くね？何してた？笑」

湧が隣から煽ってきた

「深田に黒ちゃんに早く会いたいから飛ばせっていうのに飛ばさないから」

「お前が重いから前に進まなかったんじゃね？笑」

「なに？殺されたい？」

湧と言い合いをしてると、先生に「元木、日野静かにしろ」って怒られた。

はあ今日はついてない。そう思っていると後ろから

「湧来たの日野が来る5分前だから笑」

小声で檜山が言ってきた。なんか言ってやろうと湧のほうを見るともう夢の中だった。

この授業終わったら、黒ちゃんに話しかけよう。そう思ったとたん瞼が重くなった。