ヒロインにはなれない (ページ32)

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放課後になって、みんなで図書館に移動した。

うっちーのクラスはいつもHRが長いから、彼はまだ着てない。

「ねえねえ、いつ映画行く？」

隣に座った深田が聞いてきた。

「いつでもいいよ。テスト後の土日とか？」

「そうしよ俺めっちゃ楽しみAとのデート」

「デートなの？笑」

デートでしょ！って言われて笑ってると、

「ごめんお待たせ！」

「二人とも早く来いよ笑」

ん？二人とも？私の前に座ってた湧の言葉に疑問を抱いて振り返ると、

「マジでごめん笑」

ヘラって笑う黒ちゃんがいた。

黒ちゃんは空いていた私の隣に座って、うっちーは深田の横に座った。

「みんな揃ったし始めよっか」

檜山がいうと勉強会が始まった。

私は檜山に数学を教えてもらおうと思ったけど、湧とみうの基礎から教えるから後でって言われちゃって、うっちーは深田に教えてるし一人で取り掛かろうとしたとき、

「A、英語教えて、？」

隣にいた黒ちゃんに声をかけられた。

「え、あ、うん。」

昨日久しぶりに喋ったけど、普通に気まずい。

「ここはこの構文使うと、」

「なるほど！！」

分かったのがよっぽど、嬉しいのかすごい笑顔でノートを書いてる黒ちゃんを見て、子犬みたいだな、って思っていると

「Aと話せてない間すっごい寂しかった笑」

「いや、黒ちゃんが勝手に避けたからでしょ笑」

「だって！黒ちゃんには、言いたくないとかいうもん」

「それはこっちの話だから」

久しぶりにしょうもない言い合いをしてると、お互い笑えてきた。

「まあいいじゃん黒ちゃんうざいぐらい幸せそうだし笑」

「ねえー、１つ１つに棘ある笑」

そういいながらも、どこか幸せそうに笑う黒ちゃんをみて、

早くこの話題変わんないかな、そう思っていると、

「Aここ教えて。」

深田はそういって、私の椅子を深田のほうに引き寄せて、黒ちゃんとの距離を離した。

チラッと深田のほうを見ると、いつもの優しい顔をしてた。