ヒロインにはなれない (ページ4)

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「お前らって、仲悪いの？」

「今月入ってそれ何回目？」

全部の授業が終わり帰りの準備をしてると湧が、隣から話しかけてきた。

「もう7月だぞ？お前らの話してるとこ一回も見たことないって、不仲以外ねえだろ。」

さっきから言ってるお前ら、っていうのは私と黒田くんのことだろう。

「だから、何回もいうけど話す機会逃して今なの」

私だって話したいけど今更、何て呼べばいいー？って気まずくて聞けない。

そう思っていたら、なっちゃんに日直日誌を頼まれて、静かな教室に黒田くんと二人でいた。

「何気に話すの初めてだよね笑」

「そうだね笑ずっと一緒の輪にいるのにね笑」

「俺さ、ずっと日野さんと話したかった笑」

話すタイミング逃しちゃってって黒田くんは少しはにかんだ。

「私もずっと話したかった笑あのさ、今更なんだけど、何て呼べばいい？笑」

「なんでもいいよ笑黒ちゃんでも光輝でも」

「じゃあ黒ちゃんで笑」

「俺は、Aって呼ぶね」

下の名前教えてないのに把握しててさらっと呼ばれたのもつかの間

「Aってめっちゃ字綺麗だね」

日誌から顔を上げて、ぱっと花が咲いたような笑顔で見つめられて、顔に熱が一気に集まると同時に胸がなった気がした。

「あんまいわれたことないからうれしすぎるんだけど」

照れを隠すために少しおちゃらけて返した。

その日から、黒ちゃんとは仲良くなって、

「黒ちゃん今日のビジュも最高だよ？」

「ありがと。Aもね。」

ていう今の関係になった。