ヒロインにはなれない (ページ29)

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トレーを持って、部屋に戻るとみゆが一人でヘビロテを歌ってて、

「Aも一緒に歌うよ！」

帰って来てすぐに一緒に歌わされた。

盛り上がってる中、深田と目が合って、ふんわり微笑まれた。

甘すぎる

深田の表情、雰囲気すべてが甘すぎる。

その空気が恥ずかしくて、ぱっと目を逸らした。

結局ずっとみんなで歌い続けて、時間がきたため解散となった。

お店を出て、今しかない。そう思って、

「ほんとにみんな、ありがとう、みんなのおかげで楽しかった笑」

そう言うと、みんな優しい表情だった。

「そりゃあ、よかった笑じゃあ俺ら帰るから、あとはお二人で笑」

湧がそういうとみんなニヤケながら帰っていった。

「家まで送る。」

「いいよ、深田反対側じゃん」

「夜だから、送らせて？」

顔を覗かれ、また頷くことしか出来なかった。

「さっきさ、目逸らしたでしょ笑」

「だって、深田が甘い雰囲気出してくるから」

「え、？笑俺いつも通りなんだけど笑もしかして、意識してる？笑」

「なんか深田やだーーー」

「ねえー笑やだだけはやめて笑」

深田と話しながら電車に揺られ、気づいたら、最寄りにいて、また話しながら歩いてると、家に着いた。

「じゃあ、俺帰るわ」

「ほんとに遅いのにごめんね？深田気をつけてね。」

そういうと、深田は笑顔を向けてから、来た道に戻ろとした、深田の背中をみて、いつも辛いときには必ず駆け付けてくれてくれていたなそう思うと、胸がきゅっとなった。

急いで家に駆け込み、二階の自分の部屋に走った。

窓を開けて、

「深田！！！」

駅のほうに向かう深田の後ろ姿に叫んだ。

びっくりしたのか肩がビックっとなって、こちらを振り返った。

「また明日ね。」

そういうといつもの深田の笑顔で手を振られた。