ヒロインにはなれない (ページ27)

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空き教室から教室の帰りなっちゃんが、

「偉いじゃん。ちゃんとおめでとうできて」

頭をポンポンしながら言った。

「やめて泣きそうになるから笑」

少し黒ちゃんと離れてるとはいえ、ここで泣いたら雰囲気が悪くなる。

「私らの前では我慢しないでよ笑」

なんでもいいな！って笑顔で言われた。

「それこの前深田に似たこと言われた笑」

「深田そんなことAに言ってんの？笑」

なっちゃがニヤニヤしながら大きい声で言うから

「えなに俺の話？笑」

前にいた深田が振り返った。

「うん。深田の悪口！」

「おい！笑」

なっちゃんと深田のやり取りを見て笑ってると、深田と目が合い優しい笑顔で微笑まれた。

午後の授業は一ミリも内容が入ってこなかった。

黒ちゃん嬉しそうだったなあ、ってさっきのことを思い返す。

「おい。」

一人で考えていると湧に話しかけられた。

「なに？」

一応授業中だから小声で答えた。

「今日カラオケな」

お前は強制参加って言われた。一人になりたくなかったし、多分みんな私のこと気にしてくれているんだろう。

「もちろん行くよ行く以外ないから笑」

そういうと湧は少し安心したような顔で笑った。