ヒロインにはなれない (ページ22)

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結局みんなで移動することになって、化学室に向かっていると先頭にいた黒ちゃんが

「琴音先輩だ！！」

大声で向こうから来る先輩のほうに駆け寄った。

あの人琴音って言うんだ、

黒ちゃんの顔は見えないし会話もはっきりと聞こえないけど、お互いが好きで、楽しそうに話してるのだけははっきりわかる。

教室に向かって歩き続けてると嫌でもそこを通らないといけないくて、二人を横目に通り過ぎようとした時、先輩とガッツリ目があったがいつものようにすぐ逸らされた。

「顔怖いよ笑」

「うるさいなやーまん。」

「一人でため込まないでもっと俺らに頼ってよ笑湧とかめっちゃ心配してるよ」

「ありがとう笑でも私が入る隙ないし、もう諦めよっかなって笑」

そっか、檜山が呟くと私の頭を撫でた。

「ちょ、檜山くんなにしてんのー笑」

私と檜山の間に深田が割り込んできた。

「別に笑あ、そういえばあれ映画決まったよねA行く？」

「それもう俺と二人で行く約束しちゃってるの笑」

ね！って深田が振り向いてきた。

「ふは笑そっかそっか二人で行きな笑」

竜生必死すぎって、檜山が深田の肩を笑いながら叩いた。

「痛って！！！！」

「やーまんのツッコミまじで痛いよね？」

「檜山くん道徳心忘れんで笑」

いつの間にか、さっきまで嫌だったことがなかったかのように笑っていた。