ヒロインにはなれない (ページ19)

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ウォーミングアップをぼーっと見てると隣になっちゃんが座って、

「もう黒田はいいの？笑」

「お前はただの友達です！って感じたら好きなのやめれるのに、」

「まああれはずるいよね」

ぽんぽんってなっちゃんに頭を撫でられた。

練習試合をするってなった時、ふと黒ちゃんの方を見たら、校舎に向かって手を振っていた。

黒ちゃんの目線を辿ると"あの先輩"がいた。

先輩のことを見過ぎたのか、今度は自分と目が合った。目が合ったのも束の間、すぐに離された。

明らかに私に怯えたような目線。

「だるっ、」

「A！！！！」

コートから名前を呼ばれて、顔をあげると、

「俺見てて」

深田が口パクで伝えてきたから頭の上で大きな丸を手で作った。

「なんか、深田といい感じじゃん笑」

なっちゃんがニヤニヤしながら言ってきた。

「やめてよ笑黒ちゃんともお似合い？？？」

「試合始めるよーーー」

なっちゃんに完全に無視された。なっちゃんの笛の合図で練習試合が始まった。