救世主の未来旅行

31　最終決戦 ページ31

キュウレンジャー達が驚いていた時、ドン・アルマゲも驚いていた。

つい先程倒したと思った相手が生きていた上に傷一つない姿で現れ、新たな仲間と共に立ちはだかってきたのだから当然だ。

しかし、ジャークマターの統率者たるドン・アルマゲは、その驚きを一欠片も感じさせることなく言う。

「フフフ、私が生きていたことに気付いたことは褒めてやろう。
しかし、貴様達に未来はない！」

「いいや、ある！」

言い返したのはラッキーだった。

「過去のツルギ達がお前をここまでやってくれたんだ。
俺達は、その意志を継ぐ！」

堂々とした過去改変宣言に、ツルギは呆れながらも笑った。

どうせアリクァムが飛び出した時点で過去は変わっている。
ならば、もう突き進むしかない。

「ラッキーの言う通りだ。
……ドン・アルマゲ、今度こそお前を倒す」

ツルギの一言が引き金となった。

14名の救世主達がキュータマをセットする。

『セイ・ザ・チェンジ！』

「スターチェンジ！」

「ガリョウテンセイ！」

全員が叫び、スーツを身に纏う。

一人一人が名乗りを上げ、彼らは告げる。

「究極の救世主！
宇宙戦隊……」

「キュウレンジャー！」

たった14名、されど14名。

決めポーズと決め台詞をした後、全員でかかられればドン・アルマゲでも対応は難しい。

それも、連携してくるならば尚更だ。

アシミが眼で動きを止め、アリクァムが槍で突く。
バランスが撹乱し、ナーガが切りつける。
チャンプがドン・アルマゲを投げ跳ばせばその先にはスティンガーがいる。
ガルがキュークローで、小太郎がマフラーで挟み撃ちにする。
ラプターが銃撃をして上がった煙を裂くようにスパーダが切り込む。
ハミィが透明化して背後に回ったのを見計らってショウがリュウツエーダーで殴りつける。
ラッキーとツルギは正面から堂々とドン・アルマゲに近付き、同時に剣を振るった。

元々疲弊していたドン・アルマゲはそれでも強く、生半可な攻撃では通用しなかったが、確実に少しずつダメージを与え、そして、遂に追い込んだ。

「決めるぞ、お前ら！」

『ギャラクシー！』

ツルギの合図で全員が必殺技を放つぺく構えた。

「オールスタークラッシュ！」

そして、14本の光がドン・アルマゲを包み、爆発する。

爆風が収まった時、そこにドン・アルマゲの姿はなく、ただ、彼の服の切れ端が彼の死を示していた。

最終決戦は、このようにして収束したのである。

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