“愛”を教えて抱き締めて

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side柳

それから数日して
Aはみるみる変わった

練習で高校生と試合する時でも
普段のアイツなら勝てていた試合すら落とす


幸村「どんまいだよA、また次があるさ」

『...ん』

そして..随分柔らかくなったと思う
それは俺が離れたからなのか..精市のおかげなのか、もし精市のおかげだとしても..それは俺にとったら面白い事ではない





「A」


『っ..』


アイツが休憩の為にトイレに向かったのを見計らい、俺は声をかけた

Aは俺を見ると顔を青ざめる

『糸.....柳蓮二』

フルネーム..
何故言い直した。A



それが俺の奥底でずっと燻っていたモノを晒す



「お前は、もう俺が嫌いなのか」



問いかけるとAは震え、更に恐怖に怯えた表情になった

後ずさる腕を俺は咄嗟に掴む

「待て」

『やめ..離して、くれ！！』

しかし、Aはそれを振り払おうとする

「そんなに俺が嫌か」

『っ......嫌に決まってんだろ！』

一瞬動きを止め、そう言い俺を睨んだAの態度に腹が立ち..俺はAの腕を掴む力を強めた

『いっ..』

痛みに顔を歪めるAの身体を無理矢理引き
頭を掴み口付ける

『！』

胸板を叩き離れようとするAを離さず
俺は深く深く口付けた


『...とっ.....る、し』


途切れ途切れに言葉を話しても、俺は無視した
しばらくして離れれば..Aは気を失って俺の
胸に倒れ込んでくる









「..嫌いなら、あんな顔しないでくれ」





俺は一つ呟きAの頬を撫でる
嫌いかと聞いた一瞬...ほんの一瞬だけ
こいつは泣きそうな顔をした





嫉妬に狂い、無理矢理口付け..気を失わせた
俺らしくない事など充分わかっている


だが..もう限界なんだ
こいつを守る為とはいえ..こいつが憔悴していく
手助けをする事など..









「お前が居ないと俺も辛いんだ...A」









そんな事言っても..自業自得なのだろうが









「俺以外に、触れられないでくれ」









独占欲が強いと言うのだろうけど









それでも俺は嫌なんだ
お前が精市に頼る事も仁王に頼る事も









「また俺に全てをぶつけてくれ..俺に、お前の全てを受け止めさせてくれ」









なぁ









「..俺はどうしたらいい？」









Aの頬に落ちた水滴は..果たして俺の涙だったのだろうか

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