“愛”を教えて抱き締めて

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side幸村

仁王が夕食を食べてくると言って部屋から出ていった後

部屋には俺とAだけになった
不二と白石はまだ戻って来ない

「大丈夫..？」

けど、Aに触れようとすれば拒絶される
弾かれた手は行き場を失って下がった


...どうしようか
このままのAを放ってなんかおけない


「..風呂、どうする？」

問いかけるとAは黙って首を振った
まぁそりゃそうだよね。蓮二と会うかもしれない
んだから






「うーん」





どうしよう
仁王のジャージが頭から掛けられてるAの
表情が見えないから、何をすればいいのかわからない





ったく、仁王め
ご丁寧に余計な事をして





しばらく黙っていたけど、いたたまれなくなった
俺は仁王のジャージを剥がした

『！』

「俺も頼って、A」

驚いて俺を見上げるAを真っ直ぐ見て言えば
Aは口元を引き締めた

俺は肩を引き寄せ、そんなAを抱き締める


『なっ...やめ』


「俺は、そんなに信用出来ないの？」


無理矢理離れようとするAに問いかければ
Aの動きがピタッと止まった



「仁王なんか、宛にするなよ」




蓮二に裏切られて壊れるお前は見たくなかった
いつの間にか、俺はお前に惹かれていた

だから、頼ってよ
蓮二や仁王なんかじゃなくて



「俺にしておきなよ...A」



Aから身体を離し真っ直ぐ見つめる









「俺ならお前を壊さない」









そして、黙っているAにそっと口付けた

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