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なのにAは俺を罵らなかった


俺はひたすらAの言葉を聞いていたが
最後の言葉に耐えられなくなる


『..苦し..よ...柳ぃ』


その言葉を聞いた瞬間、俺はAの元まで歩み寄り、その華奢な身体を自分の腕に抱きとめた


『..や、なぎ...』


「..馬鹿は一体どっちだったんだろうな」





俺を呼ぶAをキツく抱き締める




「済まなかった...A」




男性恐怖症、閉所恐怖症、暗所恐怖症..どれも重度なモノなのに......俺はお前を一人にした


襲われた時、どれだけ怖かっただろうか
こいつはどれだけ恐怖を覚えていたのだろう









選択を誤ったのは俺の方だ

仁王も精市も、Aを側で守ろうとしていた
そしてこれまでずっと側に居てくれた


それに甘んじた俺はマネージャーに使われ、最終的にAをこんなにしてしまった









「ごめんな..」





謝るしか出来ない俺を許してくれ


「ちゃんと居る..俺はもう、お前から離れないから.....もうお前を一人にしない...お前を、奴等に渡さないから」









こんな程度償えるなどとは思っていない
けど、それでも言わずにはいられなかったんだ









Aの涙が俺のジャージを濡らす

震える手を俺の背中に回して掴むAを
俺は更に強く抱き締めた


久しぶりに触れたAの体温は少し低くて
久しぶりに抱き締めた身体は以前より細い









『っ...ぅあ..』









全てを嘆くように泣きじゃくるAに
己の無力差を恨んで唇を噛み締めた








強く噛み締めすぎたからなのか唇から血が出たが
それ以上に泣いているAを見る方が..胸がどうしようもなく痛かった

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雨宮尋人(プロフ) - 楽しく読ませていただいています。ゆっくりでいいので更新頑張ってください (2019年12月9日 23時) (レス) id: 41de92e7ca (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ飴 - 日吉和菓子2円さん» ありがとうございます!...そうですか?自分では自信ないので...そう言って頂けると嬉しいです! (2018年5月17日 14時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ飴 - 瀬名ユズキさん» お返事遅くなりすみません!ありがとうございます!そうなんですね!!...更新頑張ります! (2018年5月17日 14時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - 続編おめでとうございます。 幸村君と柳君と主人公の関係が上手く書かれていて、凄いと思います! (2018年5月6日 10時) (レス) id: 9521c565b3 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名ユズキ(プロフ) - 続編おめでとうございます!いつも楽しみにしています!今、読んでる小説の中で一番好きです!これからも更新頑張ってくださいね!!! (2018年5月6日 8時) (レス) id: af4c7c79c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リンゴ飴 | 作成日時:2018年5月4日 12時

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