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ひんやりとした感触が首に伝わってくる。当たり前だけど人間からは感じることの出来ないような冷たさで、改めてキヨくんが吸血鬼だということをしっかりと実感する。
さすがに学校で吸血をされるのは困る。だがそんなことを考えている間にもキヨくんは私の首元に顔を近づけてくる。息がふわりとかかってもう駄目かもしれない、と体に力を入れると首に触れる感触がした。
「……お前なんか臭い」
……臭い？毎日お風呂にも入ってるし、制服もきちんと洗濯している。そもそも女の子に「お前なんか臭い」は失礼じゃないだろうか。
「いや、女子に臭いは最低だな。臭いっていうか……ニンニクでも食った？」
昨日の夜ご飯は焼き魚に味噌汁、漬物とお米……今日の朝ごはんは遅刻しそうになったせいで何も食べていない。ニンニクの入ったものは……
(あ、今日のお弁当に餃子が)
「それかよ。ニンニクの匂いする奴の血は吸いたくねえ」
そう言うとキヨくんは顔を顰めて霧のように姿を消した。そんなにニンニクの匂いがするのか不安になり、私はシャツを引っ張って匂いを嗅いでみたが柔軟剤の匂いがふわりとした。
吸血する気が失せたんだろうか。しかしこれで授業に集中出来る。
気づけば4時間目も終わり、あっという間に昼休みになった。先程臭いとキヨくんに言われたニンニク入り餃子の入ったお弁当を持ち、友達と食堂へ移動する。
「A、今日のお弁当の餃子ニンニク入ってる？」
「……やっぱりわかる？餃子が食べたい気分でお母さんにリクエストしたんだけど……」
「美味しいけどちゃんと食べたら歯磨きしなよ！？飴ちゃんあげる」
食後の歯磨きはきちんとしているが、心配してくれる辺り優しい。でもさすがにニンニク入り餃子をお昼に食べるのはよくないと思い今後はやめることにした。
それにしても十字架は効かなかったのにニンニクは苦手なんて変な吸血鬼だ。私が知っている吸血鬼は十字架とニンニクが嫌いで、日光に弱い……あとは鏡に映らないとかだろうか。こういうものはもしかしたら人間が勝手に想像しただけかもしれない。
お弁当を食べ終えた私は歯磨きをした後、友達からもらった飴を食べた。いちごの味が口の中に広がった。
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蘭(プロフ) - 鮫島さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてとても嬉しいです。更新が遅くて申し訳ありませんが、続きを待っていただけると幸いです。 (2020年3月22日 3時) (
レス) id: fe69aa8e2d (このIDを非表示/違反報告)
鮫島(プロフ) - とても私好みの小説で面白いです…！更新頑張ってください！ (2020年3月19日 0時) (レス) id: f96bdb592e (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 巡さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。更新頑張ります。 (2020年1月7日 18時) (レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
巡(プロフ) - ものすごく素敵なお話ですね…！応援してます！頑張ってください！ (2020年1月6日 21時) (レス) id: c8ea001036 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2020年1月4日 15時
