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「いった……」
唇から血がボタボタと垂れ落ちる。そこでやっとキスをされたのではなく、唇に噛み付かれた事に気がつく。
「やっぱ美味いな」
「何するんですか……って、あれ」
気づくと痛みは治まっており、血も止まっていた。手で触って確認するが傷痕もない。さっきまでの強烈な痛みの感覚ももう忘れてしまった。
「なんで……」
「吸血鬼には治癒能力があるんだよ。って言っても吸血後に傷痕治すくらいだけどな。だからここに住んでお前の血吸っても傷くらいパパッと治してやるよ」
「住んでいいとか言ってないんですけど」
「血吸い尽くされて死んでもいいわけ？」
ああ言えばこう言う。目の前の吸血鬼に敵うことなんてない。そう悟った私はもう受け入れる事しか出来なかった。しかしこのような危険な吸血鬼を家に置くのは流石に怖い。そう思った私は吸血鬼に約束をしてもらおうと思い話しかけた。
「私と私の周りの人間に迷惑かけるようなことしないって、約束できるんなら」
「しない。約束する」
「本当に？」
「本当。吸血鬼は滅多なことじゃ約束しないからな。約束破ると血が吸えなくなって餓死するんだよ」
いまいち信用できない。それも嘘かもしれない。疑いの眼差しを向けていると「じゃあそれ持ってろ」と言われて何かを投げられたので慌ててキャッチした。コウモリの羽が装飾されている鍵だ。赤い宝石
も埋め込まれている。宝石のことはあまり詳しくないが、ルビーだろうか。
「それで何処のドアでもいいから開けると俺死ぬから」
「そう……ってえっ！？」
そんな物騒なものを渡されたのか、とこの鍵を手放したくなった。
「なんてもの渡すんですか！？」
「ドア開けない限り死なねえっつーの。これで家に置いてくれる？」
吸血鬼はそういうとこちらをじっと見つめてきた。ここまでするということはこの吸血鬼が本気なのは分かる。だがそこまでしてなぜ私の家に住みたがる？その理由が分からない。
「ここまでされたら本気なことは分かりました……でもなんで私の家に住みたいんですか？」
「それは＿＿」
「それは……？」
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蘭(プロフ) - 鮫島さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてとても嬉しいです。更新が遅くて申し訳ありませんが、続きを待っていただけると幸いです。 (2020年3月22日 3時) (
レス) id: fe69aa8e2d (このIDを非表示/違反報告)
鮫島(プロフ) - とても私好みの小説で面白いです…！更新頑張ってください！ (2020年3月19日 0時) (レス) id: f96bdb592e (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 巡さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。更新頑張ります。 (2020年1月7日 18時) (レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
巡(プロフ) - ものすごく素敵なお話ですね…！応援してます！頑張ってください！ (2020年1月6日 21時) (レス) id: c8ea001036 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2020年1月4日 15時
