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「あ、今日から俺ここに住むから」
「は……？」
「だってお前にしか視えねーし。何も問題ないだろ」
吸血鬼が部屋に住み着くことになって「はいわかりました」と言えるだろうか。そんな簡単に受け入れられるわけがない。吸血鬼と一緒に生活だなんて、下手したら血を吸いつくされて死ぬかもしれない。住み着かれてたまるか、そう思った私は声を荒げた。
「納得できるわけない……吸血鬼が家に住み着くなんてそんなの無理！」
「ふーん……じゃあ」
そういうと吸血鬼はこちらに寄ってきて私の肩を掴み、首元に顔を寄せた。髪の毛が首に当たってくすぐったい。
「もう一回、血、吸うけど」
気絶する前のことを思い出した。あの時の吸血行為を思い出した。また気絶するのは困る。そうとなれば選択肢は一つ。この吸血鬼が住み着くのを認めるしかない。だが吸血鬼と一緒に生活なんてできるはずがない……私は一か八か『あるもの』を吸血鬼に突き出した。
「それは……！」
『あるもの』とは気絶する前に月にかざしていたネックレスだ。吸血鬼は十字架に弱い、ということを聞いた事がある。
「う……早くそれをしまえ！」
賭け同然の行為だったが思ったより効果は抜群だ。吸血鬼は顔を顰めて床に座り込む。
「ここから出て行くなら」
「出て行く……分かったから早く…！」
「本当に？」
「本当だ……だから早く！」
「じゃあ、ちゃんと出て行ってくださいね」
私はネックレスを仕舞った。これで吸血鬼が出て行く、そう思っていると吸血鬼の肩は震えていた。そんなに十字架に弱いのだろうか。流石にやりすぎたのかな…そう思っていたのも束の間。
「ばーか！残念だったな！十字架なんて効かねぇよ」
「なん……で」
私はショックで腰が抜け、その場に座り込んだ。
「全ての吸血鬼に十字架が効くだなんて思ったら大間違いだなんだよ」
吸血鬼は座り込む私の顔を掴んで無理やりあげた。
「嘘……だってちゃんと、弱ってたのに……」
「はぁ？あんなん演技に決まってんだろ。いちいちうるせえな」
鬱陶しそうな顔をした後、吸血鬼は私の唇を塞いだ。
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蘭(プロフ) - 鮫島さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてとても嬉しいです。更新が遅くて申し訳ありませんが、続きを待っていただけると幸いです。 (2020年3月22日 3時) (
レス) id: fe69aa8e2d (このIDを非表示/違反報告)
鮫島(プロフ) - とても私好みの小説で面白いです…！更新頑張ってください！ (2020年3月19日 0時) (レス) id: f96bdb592e (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 巡さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。更新頑張ります。 (2020年1月7日 18時) (レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
巡(プロフ) - ものすごく素敵なお話ですね…！応援してます！頑張ってください！ (2020年1月6日 21時) (レス) id: c8ea001036 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2020年1月4日 15時
