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昼休みも終わり、5限目になって文化祭当日の役割が決められた。
「接客の人集まってくださーい」
委員長が何かの箱を掲げて叫んでいるので友達と行ってみると、どうやら衣装について決めるらしい。
「今回うちのクラスはハロウィンにちなんで仮装をするということで、接客係には何かしらの仮想をしてもらいます。その衣装はこのくじ引きで決めます」
くじ引きに納得いかない者も居たが委員長の一声で黙ってしまった。
可愛い仮装だといいな、なんて思いながら箱に手を突っ込んで、1枚の紙を抜き取る。折り畳まれた髪を開くと「吸血鬼」と記されていた。
「あ、吸血鬼。可愛い衣装だから良かったね」
「でも吸血鬼って男の人じゃないの？」
「女の吸血鬼だっているわよ。吸血鬼は男女各1人ずついるからそれぞれの衣装があるの。楽しみにしててね」
そう言うと委員長はくじ引きの対応に戻っていった。可愛いのは嬉しい事だが、吸血鬼と聞いて思い付くのはやはりキヨくんだ。
「Aは吸血鬼かあ。私は魔女だったよ」
ちちんぷいぷい……と魔女になりきって彼女は呪文を唱えている。
今日は朝から文化祭の準備で教室は騒がしい。少し1人になりたくて私は「トイレに行く」と伝えて教室を出た。
「ねえ、今暇？」
「すみません。ちょっと忙し……ってレトさん！？」
後ろを振り返るとふよふよとレトさんが浮いていた。
「絶対忙しくないよね」
どうしてキヨくんもレトさんも後ろから気配も無しに声をかけてくるのだろうか。そもそもレトさんが何故学校にいる。
「暇だから来てみたんやけど、君全然1人になんないし」
「学校にまで来ないで下さい」
「吸血鬼？これ何の紙？」
レトさんは気付くとくじ引きの紙を私から奪っていた。人の話を全く聞こうとしない。
「それはくじ引きの紙です。文化祭で吸血鬼の仮装をする事になったので」
「ふーん……キヨくんとおそろいじゃん。文化祭っていつ？」
「10月31日です。ハロウィンの日です……って文化祭まで来るつもりですか？」
「ハロウィンの日は結構俺らみたいなのたくさん出るよ。キヨくんなら守ってくれるんやない？」
学校にまで来られるのはあまり気分は良くない。といっても恐らく来るだろう。
「ああでも……ハロウィンの日って凶暴化する奴もいるから気をつけた方がいいかもね」
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蘭(プロフ) - 鮫島さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてとても嬉しいです。更新が遅くて申し訳ありませんが、続きを待っていただけると幸いです。 (2020年3月22日 3時) (
レス) id: fe69aa8e2d (このIDを非表示/違反報告)
鮫島(プロフ) - とても私好みの小説で面白いです…！更新頑張ってください！ (2020年3月19日 0時) (レス) id: f96bdb592e (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 巡さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。更新頑張ります。 (2020年1月7日 18時) (レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
巡(プロフ) - ものすごく素敵なお話ですね…！応援してます！頑張ってください！ (2020年1月6日 21時) (レス) id: c8ea001036 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2020年1月4日 15時
