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「あ、君ってもしかして」
「きっ」
悲鳴をあげそうになったがそれは窓ガラスを割ったと思われる目の前の男に阻止された。頭には角が生えている。
「叫ばんといて。キヨくんに気づかれる」
キヨくんと知り合い？どういうこと？
この人も吸血鬼か何かの類だろうか。だが吸血鬼要素はあまり外見では見当たらない気もする。
息苦しさを感じ始めていると、キヨくんがふっと姿を現した。
「何しに来たわけ？レトさん」
「……もうバレた。吸血鬼って霧にもなれるんやっけ？移動が便利やね」
レトさん、とキヨくんが呼ぶあたり2人は知り合いだろうか。
「とりあえずAから手放せ。どうせあとの2人も居んだろ」
2人？まだ誰か居るのだろうか。何一つ理解出来ることは私にはなかった。レトさん、と呼ばれていた角の生えた男は「……はーい」と言いながら私の口から手を離した。
「俺はレトさん連れて部屋戻るから早く着替えろ」
キヨくんの指示に従い、湯船から出て洗面所に置いておいたパジャマに着替えて私は部屋へと戻った。
「どうもお邪魔してます」
へらりと笑いながらレトさん、はそう言った。改めてレトさんの姿を見てみると頭には角、背中には黒い羽根、お尻からは尻尾が生えている。見た目から予測すると彼は悪魔だろうか？
「俺はレトルト。キヨくんとは違って俺は吸血鬼じゃなくて悪魔ね」
「だから、」そう言いながらぐっと私の腰を引き寄せて、首に顔を近づけてきた。
「俺は君の血を吸う、なんてこともないよ」
耳元で囁かれることに思わず体が反応してしまう。
「レトさん」
キヨくんがこちらを睨みながら言うと、レトさんは私から手を離して「相変わらずだね」と呟いた。
「俺達登場するタイミング逃しちゃった感じ？」
窓から声がして反射的に振り向くと、包帯でぐるぐる巻きの眼鏡をかけた男と背中に大きな鎌を背負った男が窓から覗いていた。
「あ、うっしーにガッチさん！遅いよ〜……まあ直にくる頃やと思ってたけど」
自分の部屋に人ではない何かが4人。目眩がする。唯一今のとこ信頼出来るキヨくんの後ろに私は隠れた。
「随分キヨに懐いてんじゃん。俺牛沢ね、怯えなくてもなんもしないよ。俺ミイラだし。で、こっちが＿＿」
「ガッチマンです。よろしく。一応死神かな？」
死神、というワードに身震いしてしまう。私はもうすぐ死ぬんだろうか。後ろの鎌でざくっと殺られそうで怖い。顔は優しそうな感じがするが……
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蘭(プロフ) - 鮫島さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてとても嬉しいです。更新が遅くて申し訳ありませんが、続きを待っていただけると幸いです。 (2020年3月22日 3時) (
レス) id: fe69aa8e2d (このIDを非表示/違反報告)
鮫島(プロフ) - とても私好みの小説で面白いです…！更新頑張ってください！ (2020年3月19日 0時) (レス) id: f96bdb592e (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 巡さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。更新頑張ります。 (2020年1月7日 18時) (レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
巡(プロフ) - ものすごく素敵なお話ですね…！応援してます！頑張ってください！ (2020年1月6日 21時) (レス) id: c8ea001036 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2020年1月4日 15時
