甘くなるまでキスをしよう/rt ページ23
クリスマスが終わり街は一気に年末年始に向けて雰囲気が変わる12月26日。俺の誕生日だ。
メッセージアプリを開くとキヨくん達からもお祝いメッセージが来ていて少し頬が緩む。だが肝心な彼女からのメッセージは来ていない。もしや忘れている？毎年お祝いしてくれる彼女に限ってそのようなことは……頭を抱えているといつの間にか家に着いていた。
鍵を差し込み、くるりと回してドアを開け、リビングまで進むとAがおかえりなさい、と声をかけてくれた。
「ただいま……ってめちゃめちゃ料理並んでる！もしかして、誕生日だから？｣
視線をテーブルにやるとたくさんの料理が並んでいた。どれも気合を入れました！という感じが伝わってくる。サプライズをしようとしてくれたのか、と俺は納得した。
Aがいるキッチンの方を見るとショートケーキが置かれていた。俺は食べていい？とAに尋ねたが手は先にケーキの方に伸びていた。
｢……んん！？しょっぱ！｣
一口食べると口の中には甘い味ではなく、しょっぱい味が広がった。「砂糖と塩入れ間違えちゃって…… 」とAが申し訳なさそうにこちらを見ている。内心そんなミスをする彼女も可愛すぎる…と思っているのを俺は悟られないようにした。笑みが零れそうになっていると彼女は玄関の方へ向かい出した。
｢わ、私コンビニでケーキ買ってくる！｣
慌てた様子で外へ出る準備をするAを俺は引き止めた。すると彼女はこてん、と首を傾げてこちらを見てきた。そんなAが愛おしくて可愛らしくて仕方なくて。
｢ショートケーキの口直し、させて｣
俺はらしくないセリフを吐いて、Aにキスを落とした。唇を離すとAは呆然としていた。自分のした事が今更かなり恥に思えてくる。
｢ショートケーキ、さすがにしょっぱすぎるから……口直し！｣
何を言ってるんだ俺は。やってしまった、という気持ちが生まれ始めて思わずAから視線を逸らした。
｢レトさん……らしくないことしたって、思ってる……？｣
少し顔を赤らめたAが尋ねてきた。彼女は何でもお見通しのようだ。
｢悪い……ですか｣
そう言うと彼女は笑い出した。叶わないな、と思いつつ照れ隠しも兼ねてショートケーキのせいで甘くないキスが、甘くなるまで俺は口付けをした。
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大遅刻のrtさんお誕生日おめでとう話です。
ショートケーキの口直しのrtさん視点です。
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蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
