今日くらいは/rt ページ19
今日はクリスマス。恋人や家族、友達と用事が入っている人も多い。もちろん彼氏がいる私はイルミネーションを2人で見に行く……訳でもなく。私は今家にいる。
「……レトくん、イルミネーション見ない？」
「やだ寒い。ていうか編集終わってないし」
彼氏がこれではクリスマスデートなんて夢のまた夢。私の彼氏、レトくんはイベントごとの時はほぼ外に出ない。人混みの中に行くのが嫌らしい。分からなくはないがせっかくのクリスマスにデートも出来ないなんてこれほど悲しいことは無い。
「じゃあ編集終わったら出ようよ！！寒いならコートもマフラーも準備してるよ！」
「イルミネーションなんてこの前見たやん」
「それは買い物した時にお店にちょっと飾られてたやつじゃん！！見たって言わない！」
レトくんはこちらに一切視線を向けず、パソコンに向かっている。やっぱり外に出てデートなんて無理だったのかもしれない。ガッチさんは彼女とねずみの国に行くと言っていた。レトくんはそんなこと絶対にしてくれないのに少し期待をした。
携帯から音がしたので見てみるとガッチさんからのLINEだった。彼女とのツーショット写真と共に「メリークリスマス」と送られてきた。思わず私はガッチさんに愚痴を零した。
「A」
「……なに、レトく……」
後ろを振り返るとコートを着てマスクをした外に出る準備万端のレトくんがいた。
「なんで？」
「なんでって何。イルミネーション、見たいんじゃないん。別にいいなら俺もう……」
「見る！見るから！待って！」
そう言って私は急いでコートを羽織ってカバンを持った。そして私達は家を出た。
しばらくして駅前のイルミネーションに着いた。
「きれーい！！見て！レトくん！」
「ちゃんと見てるよ」
いつもの殺風景な駅前から雰囲気がガラリと変わりキラキラと輝いていた。予想通り人はいつもより多く前に進むのが少し大変だ。レトくんは若干既に疲れている。
「ねえレトくん。どうして急に外に出る気になったの？」
「……なんでもええやん」
「えー気になる」
理由が知りたくてレトくんを見つめていると頬に冷たい手の感触がした後、気づけばキスをされていた。
「今日くらいは、Aのお願い事聞いてあげてもいいかなって」
そう言ってレトくんは悪戯した後の子供みたいに笑った。
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クリスマス期間です。4人分書きます。
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蘭(プロフ) - なめこさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもキュンキュンするお話頑張って書きます！ (2020年1月8日 6時) (
レス) id: c4a54b0710 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年1月7日 21時) (レス) id: 136e05d453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2019年11月30日 10時
