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皆に連れられて、次の部屋へと向かう。
いつ終わるんだろう、もう終わって欲しい。右手の人差し指と親指に通した、銀色の指輪を、包むようにして握りこんだ。
…私のこと、見てくれてるといいな。
そんなわけないのに、そう期待してしまう。
1番親しげに接してくれた、優しい彼女が消えてしまったからか。幼少の頃に消えてしまった、暖かい思い出に縋り着いて、怖さを紛らわした。
電車の部屋。恐怖にすくみつつも、ウルフさんが配った小さなカードを、誰よりも早く手に取った。皆が見てないうちに引いてしまおう、そう思って引いたのが間違いだったのかもしれない。引いたカードには、禍々しい狼の絵が、描かれていた。
…とうとう引いてしまったかぁ…
諦めたようなその言葉とは裏腹に、体から、血の気が引いていくのを感じる。顔に出てないことを祈りつつ、カードを、なんともないような手つきでしまう。少し震える手を見ないようにして、ホッと、息をついた。
まあ、死ぬことは、ずっと前から決まってたのだ。
ここに来た時点で、私が生き残る可能性なんてないと、ずっと考えていた。だからこそ、今回狼を引けて、嬉しかった。
…嬉しかった、はずなのに。
死にたくない。そんな思いが、頭を巡る。
私は、死にたくない。
あの時、あの子を見捨てたのも、トラウマのせいなんかじゃない。トラウマもあったけど、そんなの言い訳でしかない。本当は、死にたくなかっただけ。生きていたいだけだった。もう逃げたくない。逃げたくないのに、生きていたい。逃げたい。逃げたくない。どうしよう。
混乱する頭から、結論を絞ろうとする。
でも、結論なんか出ずに、寝る時間になってしまって。
…狼が生きる方法は、羊をバレないように食べること。
人が人を食べれるわけないのだから、羊が狼が原因で死ぬという事で、食べたことになるというシステムみたいだけど。
逃げ道は無さそうなんだよね。あったら、もうとっくに、皆は生きて帰れてるはず。
…でも、この条件だと、明らかに狼が不利だ。
どこかに、生きる方法が、隠されてるはず。いやでも…見つからなかったら？
そうしたら…
「生きる方法も、あるのかなぁ…」
それを口に出してしまえば、結論はもうわかってしまって。
最後まで、足掻くしかない。
真相が分かれば帰れる。つまり、真相が分かるまで、帰れない。真相は、施設内にある。
そう考えると、少しやる気が出てきたような、気がした。
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ゆのみ(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» ありがとうございます！少しずつ更新していく予定なので、ゆっくりお待ち頂けますと嬉しいです…！ (2021年9月11日 21時) (
レス) id: 19928cbf59 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年9月11日 1時) (レス) id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - nayuさん» nayuさん…！はい、更新頑張りますっ！コメントありがとうございます(^^) (2021年7月19日 10時) (レス) id: 19928cbf59 (このIDを非表示/違反報告)
nayu - ゆのみさん！スランプ状態なのはわかっていますが、更新頑張ってください！ (2021年7月19日 6時) (レス) id: 900d4dc860 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - nayuさん» ありがとうございます！そう言って下さり嬉しいですっ！ライムちゃん、大人っぽくするつもりだったのですが、結構可愛くなっちゃいました(笑) (2021年6月27日 12時) (レス) id: 19928cbf59 (このIDを非表示/違反報告)
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