怪しまないで『コウ』 ページ5
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プレイルームで、ゲームをしている2人を眺めて楽しんでいると、あのコウさんが声をかけてくれた。
「お前…」
「あ…えーと、新村コウさんでしたっけ？…何か、用でしょうか？」
「いや…お前、あの2人を見ていて、楽しいのか？俺が言うのもなんだが、1人だけ、何もしてなかったからな…」
そう聞いて、
なるほど、それで、怪しんでいるという訳ですね？
と言うと、まあな、と返ってきた。
そっか、これは怪しまれるのか…まあ、たしかに、この状況下で何もせず、人を見てニヤニヤしてるなんて、怪しいか…うーん、弁明のしようがない、どうしよう…
とりあえず、本音で話してみよう。そう思い、えへへ、そうですよね、と話した。
「実はですね、私…子供が好きなんです。元気いっぱいで、憎めなくて、可愛らしくて…そんな子供が、大好きなんです」
「…理解できん。煩わしいだけだろう？」
「えへへ、コウさんの事も、ちゃんとわかってますから、安心してください」
そう言うと、俺は成人済だ、と怒られた。
…え、大人？高校生じゃなかったのか…若いな…そう思っていると、思っていることがバレたのか、お前もだろ、と、ため息混じりに言われてしまった。まあ、たしかに、私も、大人には見えないよね…成人してないし。
コウさんの年齢が気になり、私は、何歳ですかと聞いてみた。
「そんな事を教えてどうする」
「気になっただけですよ。それを聞いたところで、何にも使えないので…気軽に答えちゃってください」
「はあ…確かにそうだな。…俺は21だ」
あ、私の2つ上か。
意外だ、20ピッタリだと思ってたから。まあ、20も21も、そう変わらないかもしれないけど…
2歳年上だったんですね、そう言うと、少し驚いたような表情をされた。え、私、何歳だと思われてたんだろ。気になるなあ。
そう思い、玉砕覚悟で、何歳だと思ってました？と聞いたが、やっぱり答えてはくれなかった。知ってましたよ、はい。
しばらく談笑した後、コウさんは帰ってしまった。
話すのは楽しかったし、また話したいな。そう思いながら、私は、ミサキさんのカレーを頬張るのだった。
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