お兄ちゃんができました！？

14. Shima said. ページ19

Shima said.

俺は、おかんとずっと二人で暮らしていた。
父親って言うのが良く分からなかった。
周りの家にはいるのに、なんで家にはいーひんの？
なんて言っておかんを困らせてたりしたもんだ。

おかんは、俺に父親の話しはしたことがなかった。
死んだとも別れたとも何もわからず過ごしてた。

だからといって別に、恨んだりしてはなかったけどな。
父親が羨ましいって感情は、少なからずはあったとは思う。
けど…
おかんと2人で暮らすのは楽しかったし、愛情も人並みかそれ以上に貰ってたとは思う。

やがて俺も上京するために家を出た。
1人になって改めて、その時におかんの有り難みを感じた。

でも、つい最近になって電話してきたおかんが急に
お父さんに会ってみたくないか？
なんて言い出してきたんだ。
最初は急に何言い出すんだとか、意味もわからなかった。
けど、実家に帰省した時
幸せそうにA達3人家族の写真を見ながら話すおかんを見て
俺も会ってみたい、話してみたいって思ったんだ。


面と向かって話すのも恥ずかしくて、布団を用意しながら話す俺に
座って体を向け真剣に聞いてくれるA。
年下のAは出来て俺は出来ないなんて、それこそ恥ずかしいとAに向き合う。

目線が会えば、少し涙目になっていて驚いた。
同情されたいわけではない。
どうして俺がここに来たかをきちんと伝えておきたかった…
ただの俺の我儘なんだ。

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