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2日目 ページ2

『もー、分かんないし先生いないし…やめたーい!!』



ガンッという音が鳴る勢いで額を机に打ち付けた。



「わぁ〜痛そぉ〜」



人ひとりもいなかった教室にいきなり響いた声。
その急な声に椅子をガタッと鳴らし立ち上がって声のするほうを振り向いた。



『あ…』



そこには私が恋焦がれる先輩がいて。



「そこ、俺の席〜
忘れ物あって取り来たんだよね」



呆然と立っている私の横をするりと抜け、私が先程まで座っていた席の中を漁る。



『あ、すぐどきますっ!!!』



バッと離れ窓際まで逃げる。
好きな人とここまで接近したことも無く、心臓がバクバクと音を鳴らす。


…めっちゃいい匂いしたぁ〜!!!
って、私は変態か。


でも、実際同じ学年の男の子とは全然違う。
鼻にふわりと香る甘い香り。
それでも鼻につくようなキツい匂いじゃない事が1歳しか変わらないはずの先輩を大人に思わせた。



「そんなに離れなくても取って喰ったりしねぇ〜よ?

お、あったあった…」



初めて見た先輩の笑顔はあまりにもかっこよくて…思ってもみなかった言葉が出た。



『好きです…』



気づいた時にはもう声に出ていて、急いで口を塞いだ。
勝手に動いた口が恨めしくて眉間には皺がより瞳には涙が浮かんだ。



「へぇ…

んで、俺にどうして欲しいの?」



てっきりすぐに断られると思っていた私の初めての告白は意外な答えが返ってきた。
ニヤニヤと笑う先輩の顔が私の戸惑いを加速させる。


『え…?

あ…………付き合って、欲しい…デス』



カタコトになった私の告白に先輩はまた笑って静かな声で「いーよ」と答えた。


『え…いいんですか?

え、なんで!?先輩って彼女いないんですか!?

って言うか私のこと好きじゃないのに付き合えるんですか!?』



勉強のできない私の脳が先輩の言葉を理解出来るはずがなく、捲し立てるように声を荒らげた。



「んな一気に質問攻めすんなよ〜(笑)

彼女は少し前に別れた。

まだお前の名前も性格も知らない、なんなら出会って5分しか経ってねぇけど…

付き合ってから好きになるのもありだろ?」



そう、含みのある笑みを浮かべた先輩に私は何度も頷いた。

生きてきて1度も彼氏ができたことの無い私の初の彼氏になった。



「とりあえず名前…教えて♡」

『あ"…』



それが、私と先輩の始まりだった。

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7℃(プロフ) - ありやけさんさん» え、本当ですか…では頑張って更新します、、 (2021年11月12日 20時) (レス) id: a3f6717434 (このIDを非表示/違反報告)
ありやけさん(プロフ) - すきすぎる… (2021年11月6日 21時) (レス) @page15 id: 5965475948 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:7℃ | 作成日時:2021年10月14日 8時

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