五十一話 ページ4
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岩「…影山だろ」
その一の言葉に驚いて顔を上げる
一はさらに言葉を続けた
岩「あいつが烏野に入るんじゃないかって思って烏野行ったんだろ」
貴「っ！……な…んで…」
岩「中学の時から思ってた。お前は気づいてなかったかもしんねーけど、影山が孤立しないように、あいつのことは特に気にしてた…」
貴「…そんな」
自分では皆んなに平等に接してるつもりだったのに…
一に言われた言葉にショックを受ける
岩「でも、俺は別にそんなことどうでもいい。蘭華には青城に来て欲しかったけど、お前が行きたいと思う学校に行った方がお前は楽しいだろうし」
そう言って一は立ち上がる
岩「けどな、幾らなんでも2年間も連絡無しで会いにも来ないのはどうかと思う」
確かにそうだ…
かつての仲間とは言え、三年間も共に過ごして来たんだ…
私、何て事しちゃったんだろ…
自分の中に後悔が生まれる
……やっぱり、私のこと嫌いになったよね
そんなことを思ったら、急に涙がこみ上げて来た
一に悟られないように下を向くが、きっと彼には丸分かりだろう
そんな私を見て、彼は言った
岩「っ！あー！ほんとにっ！」
その一言でさらに涙がでてくる
胸が痛い、大切な人に嫌われるってこう言う事なんだ
そんな事を思っていたら、ぼやける視界に青と白のジャージがうつった
いつの間にか一は私の前まで来ていたらしい
あぁ…次は何を言われるんだろうか…
そう思ってぎゅっと瞳を閉じた時だった
フワッと懐かしい香りがした
驚いて目を開けると目の前にはたくましい胸板があった
そこで、やっと理解する
私、一に抱きしめられてるんだ…
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作者名：蘭華 | 作成日時：2020年2月13日 7時
