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六十話ページ13

第2セットが始まる

最初のトスはうまくいかず、日向が打ち損なってしまったが

二回目のトスはうまく日向の手に当たった

「バァン！」

体育館内に大きな音が響く

貴「よしっ！」

烏野のみんなが声を上げるので、思わず私も言ってしまった

貴「あ…すみませんでした」

入「ハハッ！別に、気にしなくていいよ！それより凄いね～…あの速攻…」

そう言われて、少し嬉しくなってしまう

貴「まぁ、今の烏野の最大の武器ですから」

入「一瞬あの5番が打ってるのかと思ったけど…どうやら違うみたいだね。あれは、影山が合わせてるのかな？」

貴「っ！流石ですね」

入畑監督の言葉を聞いて驚いてしまう

さっすが、強豪校の監督といったところだろうか

それからと言うもの、相手チームが日向をうまく警戒してくれたおかげで、今までマークされていた田中さんが打ちやすくなって来て

影山のトスで、ブロックをうまく分散する事に成功し、調子に乗って来た烏野は、第二セットを制することができた

休憩時間になり、ドリンクを一本水道の所に忘れてきたのを思い出し、1度戻って取りに行く

体育館への帰り道を急ぎ、入口に差し掛かった時だった

「きゃあぁぁーーーーーー！」

ギャラリーにいたと思われる女子生徒達の黄色い声が聞こえる

貴「っ、」

まさか、と思い体育館内へ入ると

そこには懐かしい彼がいた

彼はこちらには気付いていないようだった

貴「……とおる」

無意識に彼の名前を読んでしまう

ハッとして急いで、口を抑える

貴(大丈夫……この距離だし、小さい声だったし、きっと聞こえてない！)

そう思い顔を上げると

貴「っ！！！！！」

徹は目を見開いてこちらを見ていた