コロッケとおにぎり。【宮治】

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治side


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笑顔の素敵な女の子。



西宮さんに会いたいのと、コロッケが上手くて毎日のようにスーパーに通っては西宮さんのレジへと並んだ。



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でも俺はただの客やから、覚えてくれてるかなんて知らへんけど。







少しでも覚えてくれやすいように、毎日同じ商品を購入した。







"コロッケとおにぎりの人"とでも覚えてくれればええんや。








そして今日もコロッケとおにぎりを持って西宮さんのレジへと並ぶ。




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『いらっしゃいませ！』



ニコッと笑う笑顔。


可愛ええな…。







お願いします。といつもの様に商品を手渡す。


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『稲荷崎…。』


治「えっ。」





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彼女の視線の先には俺が持っていたスポーツバッグ。



じゃんけんに負けてツムに持たされた荷物やった。





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『あっ、つい! すんません。
　同じ学校なんやなって思ったもんで…。』






運命や…。

稲荷崎にこんな可愛ええ子がおったなんて、俺の目は節穴やったんか。






落ち着けサム…。
ここで興奮して話したら変人男確定やぞ…。




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治「学校同じなんですか。
　世間って案外狭いもんですね。笑」







『そうですよね!あのっ、いつもありがとうございます。』


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不覚にも俺の心にキュンときた


俺の事覚えてくれはってた…!!




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もう少し話したい、と欲を張りたかったがなんせここはスーパーのレジ。


後ろにはまた別の客が並んどる。




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治「いえ。また明日も来ると思うんで、よろしくお願いします。」


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やっと話せたっちゅーのに時間が短いんや!


と思いつつもこればっかりはしょうがない。




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でも今日は西宮さんと話が出来たし、覚えてくれはった。


万々歳やないか俺…!







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その日の帰り道





コロッケを頬張りながら、口ずさむ治が目撃されたという。





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目撃者の侑

侑「なんやあいつ。でかい鼻歌歌いおって。なんか、気持ち悪いな。」






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