コロッケとおにぎり。【宮治】

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それから授業中はずっと頭を悩ませ

結局いい案を見つけ出せずにアルバイトの時間になってしまった。





ちくせう、また進展がないまま１日が終わってまう…!







時刻は18時32分






もうそろそろやな…。





レジ近くに設置してある鏡で髪型を少し整え、スマイルを作る。


ソワソワすること約5分。





王子、ご来店。






『いらっしゃいませ!』



「お願いします。」







レジに置かれた商品は今日も決まってコロッケとおにぎり。






いつも同じ商品で飽きひんのかな。



『ありがとうございます、120円のお買い上げでございます。』






スマイルを作って、彼の方を向く。








すると目に入ったスポーツバッグ。


いつもはそんなん持ってなかったからわからんかったけど、よく見ると学校名が記名してある。






『稲荷崎…。』



「えっ。」






うそやん、同じ学校やん…。って驚きと共につい声に出てしまった言葉。







『あっ、つい! すんません。
　同じ学校なんやなって思ったもんで…。』



絶対なんだこいつって思われたわ。自分のアホ。









「学校同じなんですか。
　世間って案外狭いもんですね。笑」
　







話しながら笑う彼に見惚れる。


初めてみた笑顔…‼





心がキュンってするのを感じる









『そうですよね!あのっ、いつもありがとうございます。』






「いえ。また明日も来ると思うんで、よろしくお願いします。」








ちょうどの料金を払い、レシートを渡すと彼はペコリと頭を下げ退店していった。






進展、少しはしたじゃん…。




初めて話せた、という事実が嬉しくて


止まらないニヤケを押さえながら、その後のバイトを乗り切った。

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