3４（ＴＨ side） ページ35
ＴＨ「え、本当？」
「うん。短時間でそれだけの大金が手に入るんだよ」
渋谷の１０９前。
いい仕事があるからと勧誘された俺は
暇なんで胡散臭い男の話に付き合っていた。
ＴＨ「凄いなぁ」
「じゃあ事務所まで一緒に行こうか」
紐をしていた俺は、
元カノと関係が切れてからなんだかんだ仕事を探してはいたので、話を聞くくらいならいいかとつま先を向けた。
『待ってください』
いきなり現れた青年。
若く見えるが、何処か似合わない落ち着き。
見れば、ちゃっかり俺の服の袖を掴んでいる。
なにそれ可愛い。
「誰あんた」
『幾ら儲かるのかは知りませんが、
うちの店で働いてくれれば倍は出します』
ＴＨ「倍…」
「知ってる人？」
男がぶっきらぼうに言う。
不機嫌そうにしてるけどあんたもはじめましてだからね？
ＴＨ「いや…」
『その人にはそれだけの価値があるってことです』
「…頭おかしいよあんた」
ーーー
暫く言い合いがあって、
めんどくさそうに舌打ちをして踵を返す男。
『お前に言われたくねぇんだよ…』
ボソッと男の背中に向かって呟く彼。
ＴＨ「なんか知らないけど…ありがとうお兄さん」
『…明らかにヤバい薬運ばされるに決まってます。
…それか体目的、か』
ＴＨ「え…やっぱそうなの」
まぁ感づいてはいたけど。
『誰がどう見てもそうでしょ』
ＴＨ「危なかったなぁ…」
『…随分気の抜けた方ですね…』
ＴＨ「えへへ、よく言われる。
…お兄さんお名前は？」
『リ・Aです』
ＴＨ「俺、テヒョン。よろしく」
なんとなく握手をしてみたら、
握り返してくれた彼の手は暖かかった。
『モデルさんか何かですか？』
ＴＨ「いや、何にもしてないよ
…紐してたんだけど最近切れちゃって」
『…仕事する気はないんですか？』
ＴＨ「…昔は働いてたけどなんか冷めちゃった。
…今は没頭できること探してフラフラしてる」
生きる意味とか、
生きる価値とか、
俺にはよくわかんないから。
自分が楽しいと思う方に進むだけ。
『…紐になれるくらいなら、
女性の扱いは慣れてますよね』
ＴＨ「まぁ、そこそこ」
『僕があげましょうか』
ＴＨ「何を？」
『テヒョンさんが没頭できること』
この人についていけば、
わかんなかったことがわかるような、
間違いないようなそんな気がする。
俺はニヤリと笑ってソナの手をもう一度握った。
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ひんやりだんご(プロフ) - (°▽°)ははっさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございます！！今後も宜しくお願いします！ (2022年10月3日 3時) (
レス) id: 5b9fe632c1 (このIDを非表示/違反報告)
(°▽°)ははっ - 完結お疲れさまでした。 最後までとても素敵な作品でした！ この作品、そしてひんやりだんごさんに出会えて良かったです‼ これからも無理せずお過ごしください！ (2022年10月1日 13時) (レス) @page50 id: 110f0c4dc2 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - (°▽°)ははっさん» あぁぁ嬉しいです😭気長に更新お待ちください🙇 (2022年7月11日 12時) (レス) id: afad0f2202 (このIDを非表示/違反報告)
(°▽°)ははっ - このお話も、大好きになりました！ 主様天才ですか？ 更新応援してます‼☺ (2022年7月8日 21時) (レス) @page14 id: 110f0c4dc2 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - れみさん» 嬉しいコメントありがとうございます！☺️更新頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします！ (2022年6月27日 3時) (レス) @page14 id: aed4fff647 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひんやりだんご | 作成日時：2022年5月28日 16時
