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、
「か、覚悟？」
壱馬くんの話を聞くつもりが結局
私の話になってしまっていた。
「はい、俺に好かれる覚悟」
「…はっ！？」
「というより好かれてる自覚ですけど」
「・・・・はあ！？」
一段と大きな声を出す私に
壱馬くんは余裕の笑顔を浮かべる。
「俺、Aさんのこと好きなんで」
「いやいやいや！聞いたことない！」
「だって言わずに我慢してましたし」
少し拗ねたように言う壱馬くん。
が、がまんって…。
いや、むしろなんで、わたし！？
「今すぐ返事しないでくださいね」
「え！？」
「我慢してた分、今から巻き返すんで」
「いや、あの…」
「俺これでもイイ子にしてましたから」
イイコって……
「え、まって、どこが？」
「全体的に？」
記憶をゆっくりたどる。
最初にからかわれたあのときから
色々、色々ありすぎて…
「いや、イイ子だったことはないわ！！」
「じゃあ、ワルイ子でした？」
「・・・・うん、どちらかといえば？」
季節は冬から夏に動いただけ。
ほんの半年ばかりの思い出。
それが何か物凄く時間の重みを感じる。
少し記憶を掘り起こす私とは違って
「本当のワルイ子、教えましょうか？」
そう言われたことを頭で理解し、
ハッとしたときにはもう何もかも遅くて
男の子の武骨な指が顎にかかっていた。
「俺が本当にワルイ子なら今すぐ…
結構しっかりめのやばいキスしますけど」
「ご、ごめん…壱馬くんイイコ！イイコ！」
「嘘ついてもキスしますけどね」
妖しく笑った壱馬くんは
顎にかかる親指の爪で私の下唇を弾いて
おでこにキスをした。
「ねっ？イイ子、やろ？」
「っ、い、わっ…！！」
目の前で悪戯な笑顔を浮かべる壱馬に
イイ子とは何がなんでも言えず、
だからと言ってもワルイ子とは
二度と言えない
その複雑さから言葉が詰まるAに
壱馬は吹き出して笑う
「すいません、やりすぎましたね？
でも、次はおでこで済ませないんで」
壱馬は自分のおでこを指でトントンと
叩いてたみせると席を立ち
キッチンにお皿を下げにいった。
「あ、そうだ」
「な、なに？」
おでこを隠すように両手で抑えるA
「大丈夫ですよ、何もしません。
とりあえず雨の情報、把握しましょ」
「あ、そ、そうだね…」
「Aさんがしてほしいなら
なんでもご希望にお答え、しますけど？」
、
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とめ(プロフ) - 更新ありがとうございます。また更新止まってしまうのはさみしいですが、再開を楽しみにしています。何度も読み返させて頂きます。 (2020年4月22日 7時) (
レス) id: 65407b2b6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨味 | 作成日時：2019年12月5日 4時
