紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

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翔平に名前を呼ばれて笑うAは
きっとこの世で一番可愛い。

どんな表情も可愛いけど
一番可愛いのは翔平に呼ばれたとき。



「「THE RAMPAGEでした」」

「…はい、オッケーでーす」

全員の肩の力が抜ける。



「A！じっとしとかなあかんやろ！」

「えー！ちょっとリズムに乗っただけです！」

「めちゃくちゃ縦ノリやったわ！」


「わあーもうやだ怖い翔平どこぉ…」

Aはキョロキョロと辺りを見渡すが
翔平は力矢さんたちと話している。



「こら、A」

「うぅっ…ごめんなさい…」

Aはもう半べそで手を握り締めている。



「まあまあ、可愛いかったし、ね？」

陸さんが間に入る。


「翔平…」

「翔平呼んでもあかんぞ」


「陣さん最近かっこいいのに怒ると台無し…」

褒めておだてて切り抜けようとして
より一層注意をされるA



「陣さん、そんなに怒ったら
ただでさえ小さいAがさらに縮みます」


「小さくない！」

Aの頭に顎を乗せる壱馬はクスクス笑う。



「じっとせんから翔平と席離すねん」

「だって翔平がいたら楽しいもん…」


「何事も限度が大事だから」

力矢さんは翔平を連れてくるとAの頭を撫でた。


「力矢さん！翔平！」

「はいはい、陣さんに怒られたの？」

「怒られた…もうだめ…」

「じゃあ一緒にアメコ行けない？」

「行く！！」

さっきまでとは打って変わり
Aは弾けた笑顔を浮かべる。


「２人とも、一時間で戻ってくるんやで」


「はーい！ばいばい、陣さん！」

「ばいばいって…」

陣さんが苦笑すると陸さんと力矢さんが笑って肩に手をおいて励ます。


見慣れた光景のいつも通りのワンセット。



こういう輪に入っていけないのは
Aを救い出せるような手腕がないから。


壱馬や翔平のようにはできない。



30分後、２人がたくさんのコーヒーを持って戻ってきた。




「おっ、翔平ありがとうなー」

「いや今日はAの奢りですよ」


翔平の言葉に全員がAを見る。



「え、Aの奢り？」

「うん！北人くん、味わって飲んで！」


ニッコリ笑うA


基本的にAに財布を出させない。

女の子は男より必要なものが多いし
俺たちのなかでも暗黙の了解。

それに翔平がいれば財布を持たないAが。


俺たちの違和感を察したAは笑う。





「私だってこういうことできるよ！
１人の現場ではちゃんとしてるんだから」


誇らしげにするA



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