紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

Y.H ページ47

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今日は撮影のために早起きした。


朝がくれば太陽がのぼるように
夜が来れば月がのぼる

それに合わせて、瞼を開けて閉じて

そんな繰り返しで
特別な朝も夜も今の生活にはない。




「なっ…な、」

特別な朝なんてないのに




「なにしてんのおおおおおおお！！」




「…うっさいなぁ……」

「んぅう…」


叫び声でソファーにいる男が目を覚まし
その男の体の上で眠る女の子は
眉をひそめたが目も開けずにまた眠る。




「なにしてんの！！」

目を覚ました色気が溢れる男を
小声で問い詰める。


「寝てただけやん…ふぁあっねっむ…
Aかっわいー…」

呑気に欠伸までかましてAの頬をつつく壱馬。



「寝てただけって、そうは」


「北人、朝からうるさいけど今何時？」

「ほくちゃん…まだ朝なんやけど」


リーダー２人が起きてきて
俺の叫び声で起きたのかにっこりと笑ってる

いやこれは、怒ってる…！



「お、俺行ってきます…！」

「はい、行ってらっしゃい」



「壱馬は朝ごはんの準備、手伝うように。
俺がAを部屋まで運ぶ」


力矢さんは軽々とAを抱き上げると
部屋まで運ぶのを横目に家を出た。




撮影が始まる前も撮影中も撮影終わりも

気になるのは今朝の出来事。



壱馬に抱き締められて眠るA。
その絵が様になるのはさすが壱馬というか…

いやでもそういうことじゃなくて！


陸さんもキスしたとか言ってたし…
完全に、出遅れてる。

翔平こないだ凄い怖かったし
あんまり変なことできないんだよなぁ…


いや変なことはしないんだけど！！




「吉野さん、このあとご飯行きません？」

「すいません、まだ仕事あるんで！」


あー、もう！

なんでこういうときに限って
別仕事なんだよ！！


みんなと合流するために急いで着替えた。




でも急いでも意味なんてなくて


「翔平の隣がいーいー！」

「Aは俺の隣」

「陣さんやだ…じっとしてないと怒るもん」


アルバム発売のコメント録りのために
椅子が並べられている

こういうとき決まって
俺、壱馬、陸さんって並びは真ん中



絶対にAは隣に座ってくれない。



「じっとしてたらええやろ」

「ふざけたい」

「はい、ダメです却下」

Aはしゅんとしてトボトボと
決められた席に着く。



やましょーさんはそれをおかしそうに笑って

翔平はその前に座ってAに手を振ると



Aは直ぐ様嬉しそうに笑った。



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